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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

所以31

「考えて」と他人へ言う人はほとんど考えておらず騙されている。「考えなくていいよ」と他人へ言う人は他人を騙すことを考えている。 よく行くスーパーマーケット、フィール*1、バロー*2、マム*3など。ときどきエブリィビッグデー*4やビオあつみ*5やクックマ…

葉冠記

家族が新型コロナウイルス感染症の陽性者となり濃厚接触者となった者の看病の記録、そして自身も陽性者となった罹患の記録である。

toron*『イマジナシオン』書肆侃侃房

トロン『イマジナシオン』書肆侃侃房を読解した。

朝日歌壇朝日俳壇2022年8月28日

馬場あき子選〈真夜中の二時は不可思議我が窓に月光降ればカブトムシも来/戸沢大二郎〉神秘的な真夜中の景。〈山羊の乳もらいにゆきし家いずこ山道消えて家立ち並ぶ/出口真理子〉山羊乳は幼いころの思い出か。佐佐木幸綱選〈店主老い「天野商店」廃業す離…

吉川宏志『西行の肺』角川書店

誌上句会(テーマ「交」)で〈初夏の看護学生泡まみれ/以太〉への方子さんの評を読み、自分の心が穢れていたことを知った日『西行の肺』を読んだ。〈身ごもりし人の済ませし校正の厳しすぎる朱を元に戻しぬ/吉川宏志〉妊婦が胎児を守るために宿した他人へ…

所以30

幾何学を使った反倫理学としてのスピノザと、論理学を使った反倫理学としてのウィトゲンシュタイン。 「〜すべし」と語るより「〜となる」と語った方が信憑性が高い。 主知主義intellectualism、ソクラテス、アリストテレス、トマス・アクィナス、スピノザ、…

所以29

保存の効く農作物の余剰が文字・債務・通貨・国家・官僚制・軍隊・宗教を作ったとするなら、大和朝廷が戦った諏訪の勢力はいかなる種の勢力で、どんな信仰を持っていたというのか。 「姥ヶ浴」というのは、子どものない家の女性が村人にお詫びとして竹を植え…

ストア派における感情について

人間が抱くすべての感情は同意に因る、というのがストア派の見解だ。印刷教材『西洋哲学の起源』にはストア派の「理性と感情」について 怒りの感情とは「自分が不正な仕打ちを受けている」という(誤った)認識に他ならない。その意味で感情は理性と対立する…

所以28

自発的隷従論discours de la servitude volontaireというタイトル、Mr.Childrenやブラックマヨネーズみたいで、それ自体で劇薬。 何百万人もの人々がみじめな姿で隷従しているのを目にするのは、たしかに一大事とはいえ、あまりにもありふれたことなので、そ…

『鈴木六林男句集』芸林書房

鈴木六林男賞があるらしいので鈴木六林男の句を読む。〈蛇を知らぬ天才とゐて風の中/鈴木六林男〉その齢まで蛇を知らずにいれたのだから天才なのだ。〈眼玉濡らさず泳ぐなり/鈴木六林男〉泪で濡れている眼玉を「濡らさず」泳ぐ。それほど慎重に泳ぐ。〈断…

所以27

「気持ち悪い」と思ったものへの態度でその人のできあがりの程度を推し量ることができる。自分にとっての異物を排除してきたか、とりこんできたか。 恋愛感情が至高の価値という考えは否定していきたい。 遠江国の無縁所として、氏真判物をもつ引佐郡の龍潭…

抜井諒一『金色』角川書店

『金色』を読んだら元気になった。〈カーラジオ消して遠花火を探す/抜井諒一〉音で花火を探し、車で近づく。〈花火とは別の夜空へ帰りたる/抜井諒一〉花火の夜空より少し寂しいけれどあたたかい自宅の夜空へ帰る。〈目の前を運動会の砂の音/抜井諒一〉リ…

所以26

政治信条を問わず、舌鋒鋭く他者を攻撃する人の論理を無力化したいんだと思う、私は。銃器は無力化できないけれど刀剣なら可能。 〈むしろここまで男に厭はれ嫌はるる女ゆかしもあはれ「窓ガラス」/島田修三〉「魔法瓶」角川短歌2022.8、これはガラスの天井…

よみうり文芸2022年8月17日

コメダ珈琲で読売新聞の静岡版を手にとった。渡英子選佳作〈蝶になり肩に何度もまといつくお前が誰かすぐに分かるよ/大庭拓郎〉評は蝶が死後の作中主体でその蝶が「お前が誰かすぐに分かるよ」と言っていると書く。そうなら永遠の相から見ている蝶だ。もち…

所以25

およそ子どもはどこへ連れてこられてもその土地へ精霊として根付こうとせずにいられないのだ。(「《都市》一から五まで」『続・天沢退二郎詩集』思潮社) 偶然家族 強い恋愛感情なく結婚した方が婚姻が長続きする説。恋愛感情を失ったときの落差が小さいゆ…

毎日歌壇毎日俳壇2022年8月15日

〈あらかたは食へる野の物敗戦日/池田崇〉な終戦記念日に毎日新聞を買った。伊藤一彦選〈突然の葬儀に結ぶネクタイを首が拒否する断固拒否する/朝岡剛〉絞首刑を連想させる。〈人見知り激しき吾娘は心地よい居場所をいまだ見つけずにいる/寶満光保〉家も…

所以24

スピノザの神即自然並びに心身二元論とカール・マルクスの唯物論

朝日歌壇朝日俳壇2022年8月14日

サルマン・ラシュディ氏の刺傷を知った朝、朝日新聞を読む。高野公彦選〈マイク持つ安倍元総理に写りこむ犯罪者となる前のその顔/園部洋子〉省略が効いているが「安倍元総理に」は「安倍元総理(のテレビ画面)に」ということか。永田和宏選〈缶ピース長髪…

所以23

レジスタンス運動の闘士でイタリア共産党党員による階級闘争児童文学『チポリーノの冒険』、岩波少年文庫は杉浦明平訳の旧版から関口英子訳の新版に変わったけど挿絵はヴラジーミル・スチェーエフВлади́мир Григо́рьевич Суте́евのままで良かった。 「牢屋と…

越智友亮『ふつうの未来』左右社

好きになってはいけない人を好きになったかもと思った日、『ふつうの未来』を読む。〈雲雀野や空は球体なのだろう/越智友亮〉球から垂直に線を引いたとき、見下ろした空が球体だといつから気づき、いつから忘れるのか。〈八月の蛇口をひねる水がでる/越智…

所以22

女子トイレ研究家は女子も便器を、特に便座の裏を汚すと喝破するだろう。 科学(医学)が未発達な時代や地域では、豚食で食中毒になる人が多いから、同性愛で感染症に罹る人が多いからという経験則から導き出された伝統により豚食や同性愛を禁じた。 伝統が…

片山一行『凍蝶の石』ふらんす堂

『凍蝶の石』を戴く。〈本棚の広き抜きあと春兆す/片山一行〉本の抜きあとは影である、しかしそこに戻るべき本の色彩を想像させる。春の予感がする。〈音楽の吊るされてゐる立夏かな/片山一行〉楽譜を糸に吊るしてインクを乾かす映像を見たことがある。白…

所以21

言論・表現の自由への弾圧は三島由紀夫の主張するように「全体性への全体主義の嫉妬」に基づく。 ネット歌人やネット詩人の筆名とAV女優やセクシー女優の芸名の類似性は収斂進化なのかも。芽・楓・霞・花・音・穂・果・紺・澪・遥など。 かつてナッパ服と呼…

島楓果『すべてのものは優しさをもつ』ナナロク社

夏祭の日、『すべてのものは優しさをもつ』を読む。〈トースター開けたら昨日のトーストが入ったままでゆっくり閉じる/島楓果〉他人事とは思えない。〈郵便の入れられる音が二回して郵便受けを見に行くと空/島楓果〉これを解説すると、一回投函したけれど…

上坂あゆ美『老人ホームで死ぬほどモテたい』書肆侃侃房

ファンシーな商品で過半を埋め尽くされた文房具店でA4原稿用紙を買った日、『老人ホームで死ぬほどモテたい』を読む。〈ロシア産鮭とアメリカ産イクラでも丼さえあれば親子になれる/上坂あゆ美〉アメリカはアラスカでロシアはシベリアと言っては無粋に過ぎ…

所以20

中途覚醒対策には寝る前の非加熱蜂蜜が効く。 大阪万博によって、六〇年代のアンダーグラウンド系美術は、ほぼ壊滅したといっていいが、「太陽の塔」はそのシンボルにふさわしい、ファシズム的「紋切型」(しかも、イロニーさえ欠いた?)であることは論をま…

岡本真帆『水上バス浅草行き』ナナロク社

〈教室じゃ地味で静かな山本の水切り石がまだ止まらない/岡本真帆〉がぎりぎりまで見つからなかった日、『水上バス浅草行き』を読む。〈にぎやかな四人が乗車して限りなく透明になる運転手/岡本真帆〉四人に対して相対的に透明へ近づいていく運転手。その…

所以19

日焼けしてできる蕁麻疹、日光疹にはやはりステロイド剤が効く。市販薬のなかではシオノギM軟膏EXがいろいろ入っていていい。 パートナー減らしてサル痘の感染防止を、男性同士の性的接触に WHOが勧告 世に出て身を立てる穢多の子の秘訣――唯一つの希望、…