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以太以外

青時雨ことばは水でできている 以太

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

檜葉記(四)

第38回兜太現代俳句新人賞で私の「人曲」が最終候補十二作品に残り最終投票で五位だったと知った日、東海地区現代俳句協会青年部選の「翌檜篇」(23)『現代俳句』令和二年十一月号を読む。〈ため息の色と思へり虞美人草/村山恭子〉ちょっと情念の濃いため…

山田航『さよならバグ・チルドレン』ふらんす堂

浜松百撰十二月号にエッセイが載ると通知があった日、『さよならバグ・チルドレン』を読む。〈調律師のゆたかなる髪ふるへをり白鍵が鳴りやみてもしばし/山田航〉コンサートではない点がポイントだろう。個人宅であればたぶん無人だろうし、コンサートホー…

中日歌壇2020年10月25日

この日は浜松市が三人、静岡県吉田町と飛騨市と桑名市が一人ずつ、他は愛知県。島田修三選にウーバーイーツ短歌が採られていた。島田修三選〈静かなる涼夜を列車は走りゆく君住む街へ繋がらん音/川村美恵〉空気が澄んで電車の音が遠くまで聴こえる夜。「繋…

榊原紘『悪友』書肆侃侃房

椿大神社の第三十八回短詩形文学献詠祭の結果を知った日、『悪友』を読む。〈店名の由来はスペルミスらしい指先だけをおしぼりで拭く/榊原紘〉おしぼりで丹念に手を拭くことはない。指先だけと鼻とかを拭く、スペルミスするようなオシャレな店でも。〈舌と…

雪舟えま『たんぽるぽる』短歌研究社

そばぼうろの連食性に気づいた日、『たんぽるぽる』を読む。〈美容師の指からこの星にはない海の香気が舞い降りてくる/雪舟えま〉「この星にはない」が奇跡のような修辞として舞い降りる。〈恋びとのうそと故郷の羊肉が星の散らばる新居に届く/雪舟えま〉…

中日歌壇2020年10月18日

中日歌壇*1は愛知歌壇と言ってもいいくらい愛知県の入選者が多い。中日新聞の購読者も投稿者も愛知県が多いからだろう。もちろん静岡県・岐阜県・三重県・石川県*2の入選者もいる。理論上は長野県・和歌山県・富山県*3・福井県・滋賀県の入選者もいてもおか…

ジェンダーフリー短歌

・に丸つけてみる男でも女でもなく私はわたし/川津寧々*1 迷わず女に○をする無意識に傷つけたこともある手だろう/渡つぐみ*2 二首とも履歴書などにある「男・女」の選択欄についての短歌、「・」はナカグロとルビ。川津は二項対立に反抗し、渡は二項対立に…

小池光『静物』砂子屋書房

とてつもない日、『静物』を読む。〈ひとたばの芍薬が網だなにあり 下なる人をふかくねむらす/小池光〉網棚の芍薬がその下にいる人の眠りに作用していると思わされてしまう。〈チェルノブイリ「石棺」の壁をつたひゆく蔦の青葉よ 青の根源/小池光〉ウラン…

永田和宏『荒神』砂子屋書房

第二十回海音寺潮五郎記念「銀杏文芸賞」の入賞者が発表された日、「荒神」を読む。〈もとめて人を抱きたるのちの夕闇にからすうりは白き花をなげうつ/永田和宏〉「もとめて」の意味深さ、烏瓜の花の妖美さ。〈浜松を過ぎしあたりでバッテリー切れたればさ…

『同志社短歌六号』

〈本棚をまるごと捨てなよバイブルは私と君で十分だもん/池田明日香〉図書館派と聖書派の対立が背景にある。〈父親と食事に来たからスマホ置く 別に会話をしたりはしないが/太田〉人間として太田氏を好きだと思う。〈これは墓標 ジャムの瓶に突っ込んだス…

動物の鳴き声

動物の鳴き声の文字化です。一般に知られている擬声語や擬音語とは異なり、実際の声や音に近づけました。

「土地よ、痛みを負え」「朝狩」『岡井隆全歌集』思潮社

労組機関紙俳句欄で〈梅雨明けやひっくりかえすおもちゃ箱/以太〉が採られていた日、「土地よ、痛みを負え」「朝狩」部分を読む。〈渤海のかなた瀕死の白鳥を呼び出しており電話口まで/岡井隆〉何を訊き出そうというのか。「渤海」の語で電話線は時間と空…

デカメロン抄

九月二十七日日曜日に静岡市へ行った。東名高速道路を使い、牧之原サービスエリアのドッグランの周りで娘を遊ばせた。静岡市内へ入り、鷹匠に新規開店したひばりブックスへ寄ったあと、もくせい会館での静岡県現代俳句大賞表彰式に参加した。コロナ禍のため…

『北大短歌 第八号』

眠れない未明に読む。〈あまりにもでかくて花と分からない壁画を見ていた壁にさわった/山口在果〉捉えきれない大きさを手のひらに感じようとする。〈周辺地図の裏に回ればなにも無い裏に付いてるやぶれた蛹/小田島了〉なんにも無さ兼意味の無さが良い。蛹…