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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

所以25

  • およそ子どもはどこへ連れてこられてもその土地へ精霊として根付こうとせずにいられないのだ。(「《都市》一から五まで」『続・天沢退二郎詩集』思潮社
  • 偶然家族
  • 強い恋愛感情なく結婚した方が婚姻が長続きする説。恋愛感情を失ったときの落差が小さいゆえに。
  • 為政者が現在の市民の幸せと豊かさだけを考えていたら、将来の市民は貧困に喘ぐかもしれない。徳政令がまずそうだし、一律給付金のばらまきでインフラや教育に金を回せられなければ社会が破綻する。
  • 教員(フェミニスト)で昔同棲していた友人と会食した帰り「フェミニズムは好きだけどフェミニストは嫌いなんだよね」と言ったら 「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください」と敦子調に言われた。
  • もう一つ、これは穂村弘が言うところの〈わがまま〉の現在形なのではないかという感想を持った。穂村は九〇年代後半に、井辻朱美早坂類ら七〇〜八〇年代に登場した女性歌人にみられた、創り出す世界の全体がインナースペース化していて個人の体感や世界観に直結している傾向を〈わがまま〉と表現した。/岡本の短歌は世界全体がインナースペース化しているわけではない。しかし、〈私たち〉の小さなコミュニケーション空間の中に、個人の体感が直結している。(山田航「短歌時評」朝日新聞2022.8.15)
  • 絓秀実の言う規律/訓練→監視/管理への変化、機能不全労働組合御用組合)を抱える弊社もそんな感じ。研修も訓練されるわけではなく「犯罪になるから止めろ」と脅され、DOSSやDCATで監視/管理される消費者的な就労者。
  • 〈君にもし僕の記憶を渡せたら雨の終わりを見た日をあげる/世田夏雪〉「毎日歌壇」毎日新聞2022.815、加藤治郎評のように近未来の「最後の雨の風景」とも読めるし、雨の最後の風景(瞬間の)とも読める。
  • 8月15日(月)、川合渕公園の帰りに丸塚町の珈琲パーラーアイアイにはじめて入る。清潔感のある女給さんと歴史・趣きのある内装、昔懐かしい純喫茶だった。トミヤコーヒーを使って飲みやすい。日本経済新聞毎日新聞が置いてある。でもトイレは和式だった。
  • 意志する人間は、――みずからのうちにあって服従するもの(あるいは服従するとその人が信じているもの)に命令するのである――意志とはかくも多様なものなのに、大衆はこれを呼ぶのにただ一つの語しかもっていないのである。(ニーチェ中山元訳『善悪の彼岸光文社古典新訳文庫
  • ニーチェの言う、意志するときの命令するわれ(吾)と服従するわれ(我)と。
  • 先秦では対比的なニュアンスがある場面では「我」が用いられ、「吾」は主語や連体修飾語のみを担うという傾向がある(「吾」は漢代以前では、目的語として動詞に後置されることがない)(宮本徹、松江崇『漢文の読み方』放送大学教育振興会
  • 彼ら*1が全力を尽くして手にいれようとさているすべてのものは、あらゆる家畜の群れが望む緑の牧場の幸福である。すなわちすべての人が安全で、危険がなく、快適に、そして安楽に暮らせることである。彼らが朗々と歌いあげる歌と教説は二つだけ、「権利の平等」と「すべての苦しめる者たちへの同情」である。――そして彼らのうたから苦悩そのものが除去されねばならないと考えているのである。(ニーチェ中山元訳『善悪の彼岸光文社古典新訳文庫
  • ニーチェは人間が成長するために役立つのは「厳しさ、暴力的な行為、奴隷、街路での危険や心の中の危険、隠遁、ストア的な考え方、すべての種類の誘惑の技術と悪魔的な行為、人間にみられるすべての悪、恐るべき行い、圧制的なもの、猛獣的なもの、蛇のようなずる賢さ」と言う。
  • 統一協会とつながりを持ち続ける自民党議員→叩ける。統一協会と関係を絶った自民党議員→忘恩の徒と叩ける。
  • 七・七以降とは、旧来の「正史」が破棄されると同時に、さまざまな「偽史」が序列を欠いて、自らの正統性を主張しうるような場のことである。(絓秀実『1968年』ちくま新書
  • フェミニズムが好きなのは、日本のそれが特権を享受する先進国の女性がフェミニズム的言説闘争のためさらなる下層へ退却する「偽史」≒ファンタジー小説だからだ。
  • 〈冷やかや携帯電話耳照らす/相子智恵〉『呼応』左右社、秋の夜だろう耳と横顔だけぼおっと照らされている人の常人離れ感が面白い。
  • 〈日盛や梯子貼りつくガスタンク/相子智恵〉『呼応』左右社、大きな夏空の下の、梯子の小さな影が愛おしい。
  • 駿河は現在の静岡県東部、だいたい静岡市のあたりですが、石高はわずか15万石しかありません。無理に同盟を破ってまで奪いにいく価値のある土地とは思えないのですが、やはり信玄はどうしても港が欲しかったのだろうと思います。(「軍事とは経済である」武田信玄がどんなに"優れた戦国大名"でも、信長には絶対に勝てなかったシンプルな理由【2022上半期BEST5】

*1:引用者註、来たるべき新しき哲学者。民主主義的な趣味とその近代的な理念とかいうものに仕える、能弁で筆のたつ奴隷、自由思想家