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以太以外

国は夜ずっと流れているプール 以太

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

中日歌壇中日俳壇2021年2月28日

島田修三選第一席〈きっちりと固く布巾を絞りたり不手際ばかりの今日の終りは/永田紀代〉いろいろあっても終わりはちゃんと〆たい。〈とり出した電池の余力なき重み撤回できる発言ありや/外川菊絵〉電池の冷たい重みを手に感じながら日々を思う。小島ゆか…

郵便配達七つ道具

郵便配達に使う七つ道具を紹介する。 ボールペン 配達証に署名してもらうときに渡す。局内で書類を書くときにも使う。3色ボールペンを使う人もいる。 ワセリン いわゆる白色ワセリン。冬の手指唇の乾燥防止、ケガの湿潤療法、花粉症防止などに使う。 目薬 目…

『県民文芸』第六十集

ふじのくに芸術祭2020こと第60回静岡県芸術祭の短歌部門受賞作を読む。静岡県芸術祭賞「転移」より〈疲れはて眼おさえる我の背をおずおずと撫ず力なき手が/勝田洋子〉、冷たいけれどあたたかい手だったのだろう。奨励賞「冷蔵庫のなかの空」はもちろん省略…

中日歌壇中日俳壇2021年2月21日

第67回不器男忌俳句大会で谷さやん選と平岡千代子選で〈吹けば児の周りへ集ふしゃぼん玉/以太〉が入選していた。島田修三選第三席〈道三の裔に嫁ぎし祖母の姉穏やかなりき砺波に眠る/佐賀峰子〉評のように道三、砺波も気になるが投稿者の土岐市も想像を誘…

銀杏文芸賞短歌の部入賞作

「銀杏」第二十号、令和二年度海音寺潮五郎記念文芸誌に掲載されている銀杏文芸賞短歌部門入賞作を読む。最優秀賞「その日待つ」より〈このまんま落ちてゆくならこわくない屍のポーズのレッスン中に/﨑山房子〉血管瘤の手術へ向けた連作、「屍のポーズ」が…

ラテン語で短歌は?

ラテン語版ウィキペディアによれば俳句はラテン語でHaicu (haicu, haicus, pl. haicua, n)である。haicuはcornuと同じ第4変化名詞の中性名詞なのだろう。 短歌に該当するラテン語版ウィキペディアのページはないけれど和歌に該当するWakaのページはある。wak…

鈴木ちはね『予言』書肆侃侃房

子規記念博物館へ葉書を出した日、『予言』を読む。〈ザハ案のように水たまりの油膜 輝いていて見ていたくなる/鈴木ちはね〉曲りくねって豪奢に輝く油膜? そういえば、まだ東京オリンピックやっていない。〈どんぐりを食べた記憶があるけれどどうやって食…

中日歌壇中日俳壇2021年2月14日

中日歌壇に投稿されている高津優里さんがNHK短歌に入選していた。島田修三選第一席〈バイクよりひらりと降りたる青年がヘルメット脱ぎ美少女となる/半田豊〉ヘルメットをとると長い髪が垂れていたら良い。第二席〈海よ鷗よ丘の上の蜜柑の樹よ空に詩集を放り…

盛田志保子『木曜日』書肆侃侃房

〈泡志願少女は波にのまれゆく地に足つけてあゆめる痛み/盛田志保子〉ドキッとする。「地に足つけて」により、生活のために身を売る泡姫を思わせる。〈障子戸が開きむかしのいとこたちずさあっとすべりこんでくる夜/盛田志保子〉元気、いとこたちと遊んで…

中日歌壇2021年2月7日

島田修三選第一席〈豆を炊く香は部屋に満ちこの先は寺山修司はずっと年下/外山菊絵〉他の歌人や詩人の亡くなった齢を知りたくなった。第二席〈電話きて母の仮病に逢いにゆく青空のような嘘頷きに/小桜一晴〉昔は逆だったのかも。第三席〈深き秋色の褪せた…

正岡豊『四月の魚』書肆侃侃房

海際のカフェで『四月の魚』を読む。〈夢のすべてが南へかえりおえたころまばたきをする冬の翼よ/正岡豊〉はばたきはまばたきとなる。夢と空との浮遊感における相関が美しい。〈さかなへんの字にしたしんだ休日の次の日街できみをみかけた/正岡豊〉「さか…