以太以外

辷り台に脚を忘れた虫の闇/以太 ※リンク・引用自由

中日歌壇2021年10月31日

図書館俳句ポスト八月の題「天の川」で〈へその緒の桐箱白し天の川/以太〉が特選だった週の中日新聞より。

中日歌壇

島田修三選第二席〈風の道に立てられてゐき洗ひ張り板路地の記憶に母が住みゐる/冬森すはん〉かなり字余りなのか。でも路地の風景が鮮やか。〈明日こそとあしたもおもう扇風機部屋の陰から陰へ移して/漕戸もり〉「陰から陰へ」が愉快。物陰の多い家だろう。〈働きに見合わぬ量のカツ丼を平らげてから怒られに行く/伊藤すみこ〉ヤケ食い。成果が出るほどの働きでなくても腹は減る。〈濁音も促音便も拗音もなく澄み渡る十月の空/浅井克宏〉小島ゆかり選第二席〈コスモスであふれる過疎の交差点 信号変わるゆっくりと待つ/赤沢進〉焦ってもしょうがない。〈夕暮れて雨止む路地の暗きよりドリブルの音響き来たれり/馬場泰年〉雨上がりを待っていたバスケ少年の躍動がある。〈五歳児に負けてやろうと思いつつ本気で負けた神経衰弱/神戸隆三〉経験ではなく記憶力がモノを言うゲームゆえ。