以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

中日歌壇2021年10月24日

 

島田修三選第二席〈背後から頭上を越えて青空の高みへヘリが吸い込まれてゆく/今井久美子〉スパイ映画の一場面のようだ。第三席〈うろこ雲リヤウインドに映しつつ前車は秋を背負って走る/安江弘行〉前車が秋を背負うなら気づかぬうちに我が車も背負わせている。〈母の語る死はなんとなく明るくてきれいな星になるかと思ふ/森田香津美〉人柄が死に映る。小島ゆかり選〈高速の刃にも怯まぬ老蝶のまつはる草を刈り残しおく/上村篤彦〉老蝶は死を覚悟しているのではない、腰を抜かして、体力がなくて、もう動けないのだ。