以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

戸田響子『煮汁』書肆侃侃房

林檎を買った日、戸田響子『煮汁』書肆侃侃房を読む。〈乾杯でちょっと遠い人まぁいいかと思った瞬間目が合ったりする/戸田響子〉そしてすぐ目を逸したりする。〈エサが欲しいわけではなくて鯉たちの口の動きが送る警告/戸田響子〉鯉世界の破滅、あるいは人類の危機、〈さっきから配達員がやってくるバイクの音だけし続けている/戸田響子〉タウンが出てて軒数が多い、コツもトメもある。〈かみさまの言葉を忘れゆく子供擬音をつかわず「かみなり」と言う/戸田響子〉喃語を「かみさまの言葉」って言うの素敵。〈宅急便の複写紙に強く強く書く強くなければ届かぬ気がして/戸田響子〉「強く」が一番二番と三番とでは少し異なっている。

地下鉄の乗客たちは暗黙のうちに互いに視線を外す 戸田響子