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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

所以113

  • ジャニーズの次はジブリハロプロか、エイベックスやサンリオかもね。驕れる者は久しからず。
  • 軽みとは意味へのこだわらなさ。
  • モル的な組織、党派ではない群衆。
  • 「備給 investissement = Besetzung」というのは、リビドーを特定の対象に注入することを意味するフロイト用語です。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 「理性推論」には「定言 kategorisch/仮言 hypothetisch/選言 disjunktiv」の三種類がって、それらを根拠付ける理性概念としてそれぞれ、主体の中で定言的総合を実行する「魂」、一連の出来事を仮言的に総合する「世界」、そして、一つの体系への選言的総合を可能にする「神」を挙げています。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 様々な考え得る性愛の可能性の中から、特定の異性愛の形態だけを正しいとし、それ以外を排除するオイディプスの論理はある意味、神の視点に立った論理です。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 「男か女か」「親か子か」「生きているか死んでいるか」。近親相姦のタブーを犯したエディプスにはこれらの区別が分からなくなる。この違反によって離接的には総合が弱まると三大神経症と呼ばれるものが生じる。「男か女か」に関わるのがヒステリー(l'hystérique)、「親か子か」に関わるのが恐怖症(le phobique)、「生きているか死んでいるか」に関わるのが強迫観念症(l'obsédé)(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 少納言
  • 言語の誤用は、昔からの習慣からの逸脱か、あるいは言語をつくるルールからの逸脱か。
  • 人間のベースは「砂漠」
  • 「隔離的」が「パラノイア」に結び付いて、「遊牧的」が「分裂症」と結び付くというのはこれまでの流れから分かりますね。興味深いのは、前者を「人種主義的raciste」、後者を「人種的にracial」と特徴付けしている点ですね。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • ふつうの人が父権的支配構造から逃れようとすると父権を振る舞いやすい。
  • 獣ではなく文明人だからこそ、人類は入墨=刺青=TATTOOを身体に彫る。
  • 〈野蛮人Barbare〉というのは、帝国を動かす「専制君主機械」に組み込まれている人間です。原始的な大地に生きる「未開人sauvages」と区別しているわけですね。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • ドゥルーズガタリは、身体を覆っていて、その上で離接的登記が行われているエネルギーの膜のことを「ヌーメン」と呼んでいるようです。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 「構造」の方は、モノとヒトの関係性をめぐるシステムに対応し、静的で、かつ、自然とは関係ないという意味で論理的で、等価交換の原理に支配されている(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 「機械」は血統と関係しているし、自然システムにおける内包(強度)的な――外延化していない――性格を残しているし、必ず不等性を含んでいる。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 脱領土化 déterritorialisation
  • この場合の「脱領土化」というのは、ヒトと土地との固有の繋がりを解体して、単にモノやヒトが物理的に貯蔵される空間にしてしまう、ということでしょう。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 前近代社会に比べると、家族内での関係性は、社会の外での関係性と無関係になった、と言っていいでしょう。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 静岡県浜松市。〈水性の愛で書いた恋ならば雨にさらしてしまいたい 痛い/菅本勇馬〉〈言の葉の森への扉ひらくとき小田急線は新宿を出る/菅本勇馬〉第37回全国短歌フォーラムin塩尻より
  • 隔離的ségrégatif→ファシズムパラノイア的、遊牧的nomodique→革命的分裂物的
  • 精神分析のソファ、分裂分析の散歩。
  • 「資本主義機械」は脱コード化・脱領土化を進め、分裂症的な欲望を解放することで、富を生み出してきたわけですが、グローバル化が極限まで進展し、地表を覆い尽くすと、もはや脱領土化・脱コード化できなくなるはずです。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 隷属集団un groupe assujetti 、体制の枠内で主体 sujet化してしまって抜け出せない集団⇔主体集団groupe-sujet、アナーキストなど様々な秩序に属したり属さなかったり多様な関わり方をする横断性transversalitéを特徴とする。
  • 革命集団が権力を取ったら反動化するというのは(中略)ドゥルーズたちは、無意識的な欲望の流れを固定化させる力の問題と考えているわけですね。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 「主体集団 groupe-sujet」は、「権力形態」の方を「欲望」に適合させることができる。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 無責任な主体集団たれ。
  • 同性愛はいいとして同性婚は、同性愛の固定化であり、同性愛を蔑視する国家の転覆を企てる同性愛戦線 front homosexuelと類似してくる。
  • 鼠男 Rattemmann
  • このようにしてドゥルーズガタリは、家族内に精神病の起源があるという考え方を徹底的に否定し、分裂症的な症状は欲望機械に元々具わっている傾向の発露である、ということを強調する(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 分裂症への分裂分析。分裂症ははじまることではなく止められ空転させられることが苦しみ。

 

所以112

  • タブ朗 放送大学記号論理学」
  • ブサヨネトウヨなど、相手を反論しやすい類型へ落とし込んで個々の意見から目を背ける人は、個々の意見を汲み取り反論する対話ができず、類型化された語彙と思考パターンのなかで会話している。
  • ブレグジットにしても、トランプ主義の台頭にしても、中には半分ジョークを交えながら、「この世には本当にバカがいるもんだ」と怒る人もいます。しかし、私たちはその先にあるものを考えないといけません。そこで起こっている重要なことに気がつかないといけないのです。(カズオ・イシグロ語る「感情優先社会」の危うさ
  • それがセンセーショナルだから、とか、目立つから、とか、怒りに満ちているからという理由ではなく、尊敬の念から注目を集めるものが必要です。私たちは何とかしてもっと思慮深いものを作っていかなければならないと思います。(カズオ・イシグロ語る「感情優先社会」の危うさ
  • また、「人類のコミュニケーションにおける曖昧さを取り除く」ことを目的に作られた人工言語「ロジバン」は、厳格な「言文一致」と「形態と意味の一致」に従っており、心態表現に関する語を百二十種類あまり備えている。(昼温「完璧な破れ」『走る赤』中央公論新社
  • 島嶼勤務いいな。奥尻島・飛鳥・佐渡島・小豆島・隠岐の島・対馬奄美大島宮古島石垣島
  • エス」ではなく「機械」だというのが、この本の議論全体の焦点です。(仲正昌樹ドゥルーズガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』作品社)
  • 分裂症とは「身体を構成する諸パーツが「機械」として解放され、分裂していくプロセス」と捉えられる。
  • 様々な形状の機械になる可能性があり、絶対的な境界線はない。どんな形状の機械になるかが相対的に決まって行くことが登録enregistrement、どこに属しているかの目印が指標réperage。
  • 完成しない家具、生産の進行し続ける家具、継ぎ足されて、他のものと接ぎ木される。
  • 満たされすぎて渋滞している充実身体un corps plein
  • 死体=器官なき充実身体le corps plein sans organes

 

所以111

  • 特別視されている何かがあれば現象として観察し、相対化のうえ解体するのがSFというジャンルの性分でもあり、愛もまたその対象である(伴名練「愛」『新しい世界を生きるための14のSF』早川書房
  • 浜松市磐田市のプール・徒渉池(じゃぶじゃぶ池)リストと個人的感想。
  • 竜洋B&G海洋センタープール 券売機と受付入口は別の建物にあり分かりにくい。更衣室は狭い。屋内のプールはきれいだけれど、屋外の流れるプールは苔が生えていて、水は阿多古川の方が澄んでいる。長いすべり台と幼児用徒渉池があり楽しめる。客層は悪い。ドライヤーはない。橋を渡ったレストハウスしおさいにお子様ランチあり。
  • 北部水泳場 夏は9時半スタートだけれど整理券の番号順に入るので待つことがある。更衣室は広く、トイレはきれい。幼児用徒渉池にすべり台がある。流れるプールが良い。なかに冷水器がある。120cm以上から遊べるウォータースライダーがあり年齢層は高め。ドライヤーあり。浜松西インターチェンジ近くにチェーンレストランが数店ある。
  • 古橋廣之進記念浜松市総合水泳場(ToBio, トビオ) 無料の幼児用徒渉池もあるが入場料を払えば施設内で遊べる。更衣室は広く、トイレはきれい。屋内の幼児用徒渉池は浅いのとやや浅いのと2つあり、やや浅い方にすべり台がある。屋外の徒渉池には大量の水を浴びられる巨大バケツや水鉄砲やすべり台がある。25メートルプールもあるが大会と重なると使えない。屋内の流れるプールはジャグジーと併設で小さい。ドライヤーあり。建物内にカツカレーや麺類やおにぎりを食べられる食堂がある。
  • 浜松城公園児童プール 無料、更衣室は狭く覗き見可能。屋外の児童プールと小さいプールのある幼児用徒渉池がある。ブラジルやフランスなど外人が目立つ。食事は、お好み焼き本舗が近くにある。
  • つま恋リゾート彩の郷ウォーターパーク(掛川市満水)は別枠だが、サンダル・貨幣も収納するスマホ防水ケース・水筒は必須。
  • 今年は暑い。日焼け止めクリームなしに一時間くらいプールにいると日光疹で背中じゅうが赤くなる。
  • ダイソー浜松本郷店の藤谷さんは色白美人
  • VG+
  • 「もし安全なら海洋放出の必要はなく、安全でないならなおさら放出すべきでない」(日本は海洋放出計画を正当化できない 中国外交部
  • 安全だけど別要因である土地の問題で海洋放出の必要があるときは大陸に置いといてくれるのだろうか。
  • この2020年代でネットで議論したがるのは誰でも論破できる方法を見つけた脱構築者と自分が負けたことに気づかない愚者だけだ。
  • Data from Fukushima Daiichi ALPS Treated Water Discharge
  • 何よりも、SFは一つの言語形態であること。だからそれは国や文化を超えて、人々に共通の物語を、思想を、哲学を、思いを、伝えることができる。(立原透耶『時のきざはし 現代中華SF傑作選』新紀元社
  • 国道150号線の、磯光(磐田市小島)の北あたりに目の悪い黒い仔猫がいる。そこらへんの地域猫の児だろう。

所以110

  • 私にとって演劇を創るという行為は、とりもなおさず、私に見えている世界を社会に向けて開示するということだ。(平田オリザ『演劇入門』講談社現代新書
  • 戯曲を書くにあたって、テーマを先に考えてはならない。(平田オリザ『演劇入門』講談社現代新書
  • 他の言い方をすれば、おそらくテーマはすでに、あなたの精神に内在しているのだ。(平田オリザ『演劇入門』講談社現代新書
  • さらに別の言い方をすれば、私たちは、先にテーマがあって、それを実現するために作品を創るのではなく、混沌とした自分の世界観に何らかの形を与えるために表現をするのだ。(平田オリザ『演劇入門』講談社現代新書
  • 単純な主義主張を伝えることは、もはや芸術の仕事ではない。(平田オリザ『演劇入門』講談社現代新書
  • 演劇は、観客の想像力に委ねる部分の多い表現である。(平田オリザ『演劇入門』講談社現代新書
  • その新しい共同体の形成にとって、演劇の果たす役割は、小さくはない。(平田オリザ『演劇入門』講談社現代新書
  • かわりばんこに観客が演者になるかもしれない演劇、かわりばんこに市民が支配者(為政者)になるかもしれない民主制。
  • タイガーバウム味の白米
  • 統合失調症にしてアナーカ・フェミニストの高島鈴、躁鬱病自殺未遂仕事が増えた高松霞、の鳥居など。
  • 精神疾患フェミニスト状の運動的情熱とはどちらが先なのか気になる。鶏が先か卵が先か。
  • レイプされかけたことを公表した7日後に早めに子作りOKな結婚相手を募集する心境とは?
  • ただ、不幸な人ほど幸福アピールをしたがる。
  • 自分が社会とうまく折り合いがつかない状態だから社会を変えようとするのか? 社会を変えようとしているために他者の役に立たない自分が社会とうまく折り合いがつかない状態になるのか?
  • 自己都合で変えられてしまう社会もかわいそう。
  • フェミニストアナーキストも加害者マインドかつ暴力的マインドが必要不可欠だ。
  • 9月から新しく社会人になる新卒には、被害者マインドになるな、常に加害者マインドでいろ、と説きたい。そのほうが日々充実するしなぜか仕事もうまくいく。
  • 被害者マインドはうまく利用されるだけ。
  • 加害者マインドでいろ、は加害者になれ、ではない。
  • SNSの発達で群衆が作家を推すようになり、精神疾患が推されやすくなった。作家や作品ではなく、精神疾患が持ち上げられるようになった。そのため精神疾患になりたがる人が増えた。
  • 作家であることも人であることを辞めた人たち
  • 宮島めいは腹筋がすごい。
  • 自分の作品に自信があれば作家は精神疾患アピールはしない。作品への評価に精神疾患色がつくのを嫌がるから。あるいはそこまでの想像力さえないか。
  • 彼らに消えてほしいわけではないけれど、精神疾患アピールだけで目立っている作家が消えてくれないと良い文芸界にはならない。彼らが居座っている文芸界はセクハラと縁故が蔓延する文芸界とさほど変わりはない。
  • 「あの人って発達障害っぽいよね」は自己の言動を正当化するために使われる。
  • 「私は発達障害っぽいよね」は批判を避ける、自己防衛のために使われる。
  • 「あの人って発達障害っぽいよね」「私は発達障害っぽいよね」双方の利害関係が一致することがあるとコミュニケーションが潤滑になる。
  • 発達障害という言葉が便利なコミュニケーションツールになっている。

所以109

  • だから、若者たちが、定職を持たなくとも、何とか、生計をたてていくことができたのは、時、まさに、高度経済成長期だったからに他ならない。(風間研『小劇場の風景』中公新書
  • 日本ではまだ、演出という概念が人びとの間に浸透していないから誤解している人は多いが、本来、演劇とは、時代と社会というコンテクストのなかでこそ語られるべきだろう。(風間研『小劇場の風景』中公新書
  • こうなると、これは、現実の自分とは違ったもう一人の自分といった、変身願望の代償行為としての演劇に近いものということになるだろう。(風間研『小劇場の風景』中公新書
  • 俳優は、台詞を与えられると、どうしてもその台詞をうまく言おうとして、台詞に意識が集中しがちになり、力が入ってしまいます。その台詞に集中しがちな意識を、様々な負荷をかけることによって分散させていこうというのが、私の台詞に対する考え方です。(平田オリザ『演技と演出』講談社現代新書
  • 「間をとる手前は、コンパクトにする」(平田オリザ『演技と演出』講談社現代新書
  • 私が提唱してきた現代口語演劇は、複雑なものを、複雑なままに、全体の解像度を高めていく新しい方法論です。(平田オリザ『演技と演出』講談社現代新書
  • 「この人には虚言癖がある」という先入観があると、これを疑ってしまえる。【リンク先は閲覧注意】
  • 足の調子がよくないという鳥居さんは、主催者の勧めで椅子に座って聞いていたが、やがて感極まったのか、立ち上がって祝辞に耳を傾けた。(セーラー服の歌人・鳥居 授賞式で涙こらえ「私は短歌が一生好きです」
  • ↑ライターの人、何かを意図して書いたとも読める。
  • 言えることは、鳥居女史は戦略的に賢いということだけだ。
  • 自分のからだは自分のもの、私のからだは私のもの my body is mine.。
  • 自分のからだの範囲はどこまでだろう。
  • 自分の意志で動く範囲がからだなら自分の心臓など不随意筋でうごく部分は自分のからだではない。逆に自分の声で反応するたとえば他人の心臓は自分のからだと言える。
  • また物理的に傷つけられたとき痛みを感じる範囲が自分のからだなら、共感してくれて痛みを感じる他人のからだも自分のからだだ。
  • 感覚のあった範囲が自分のからだならば、服はもちろん髪や角質は自分のからだではない。
  • 自分のからだと他者のからだに明確な線をひきたがる人は自国と外国のあいだに明確な国境線をひきたがる。
  • 都市国家の曖昧な境界と曖昧な身体。領域国家の成立と自己身体の確立。
  • 六〇年代の小劇場運動の背景に、濃淡の差はあっても、かなり普遍的にこうした「闘争体験」があったことは注目していい。ことにそれが、六〇年安保闘争をきっかけに、日本共産党などの既成革新政党とは絶縁して、新しい急進的な前衛組織を作ろうとした新左翼のグループが登場した時期の闘争体験だったことは重要である。(扇田昭彦『日本の現代演劇』岩波新書
  • 彼らが新劇の大手劇団に入ろうとはせず、苦しくても自前の小劇団を結成した動きは、時代の動向としては、新左翼の諸党派の動きと確実に並行していた。(扇田昭彦『日本の現代演劇』岩波新書
  • 現代演劇は人間をもっぱら社会的存在としてとらえ、その葛藤を描いてきたが、太田は枠組みをさらに大きくし、自然や宇宙の中にある「生命存在」として人間を重視する。自然や宇宙の視点をもつ以上、そのテンポは私たちの日常のテンポを大きく超えたものにならざるをえない。(扇田昭彦『日本の現代演劇』岩波新書
  • ↑太田省吾
  • 寺山によれば、演劇は演劇でなくなることによって、変革されなければならなかったのだ。(扇田昭彦『日本の現代演劇』岩波新書
  • 寺山修司天井桟敷
  • 野田秀樹のドラマの根本にあるものは何か。/それは人類や歴史が進化し、分化するはるか以前の、すべてが無垢でしあわせな一体感のうちにまどろんでいた始原の状態にさかのぼろうという衝撃と情熱である。(扇田昭彦『日本の現代演劇』岩波新書

所以108

  • 8月2日(水)河骨が咲いた。木蓮木瓜の花、額の花、河骨、金木犀山茶花あたりが好きな花だ。
  • 俳句結社麦の会、収穫祭で第一位になった。俳句連作30句「人新世の空
  • 地方美術ボス the lcal art bossとは、のちに芸術社会学の用語に加わるだろうタームで、首都圏や関西以外の地方美術界の顔役となる芸術家のこと。
  • あるいは、地方都市の美術館やアートセンターや協働センターなどでアートイベントや展示会やワークショップを主催する、資金調達に長けた芸術家のこと。
  • 地方都市のアトリエやアートセンターでのワークショップに参加すると主催者の挨拶や対応が他の参加者と違うのですぐに地方美術ボスを見分けられる。
  • 一般参加者へ:座ったまま「いらっしゃいませ」。地方美術ボスへ:バンザイして入口まで出迎え「来てくださったんですねー!」
  • つまりは地方美術大ボスへ地方美術小ボスが挨拶し、小ボスは大ボスの象徴的権威の継承を目論む。
  • 地方美術ボスが存在すると縁故主義に陥りやすく、新しい美術は生んでも新しい美術の価値は生まない。
  • 地方美術ボスは能力至上主義者と対立しやすい。
  • 地方美術ボスが存在する限り、地方都市民はやや低質な後進美術をありがたい美術としてありがたく甘受していく他ない。
  • しかし地方美術ボスの資金調達能力がなければ地方都市のアートイベントは減るだろう。また、東京や大阪などのアーティストが地方都市へ下りて来てワークショップを開催するだけのアート中央集権制を確立させてしまう。
  • 地方美術ボスは必要悪だ。ほんとうに必要なのはボスの排除ではなくボスのすみやかな交替である。
  • 国政に携わる政治家が庶民と同じ感覚だと困る。
  • 水戸天狗党、とくに田中愿蔵のジャンギリ隊の悪行のために暴力的な革新派(尊皇攘夷派)と印象づけられる。それは平和的な保守派(佐幕派)と比較される。
  • 明治維新後の明治政府は「暴力的な革新派」を中心に成立し、大東亜戦争の破滅に至るまで暴力のままに拡張戦争を続けた革新政府である。
  • 一方で戦後民主主義に基づく平和的な保守政府に反抗して、革新政府によって行われるはずだった未遂の本土決戦を遂行すべく水戸天狗党とおなじように内ゲバをくり返しながら長野県=信濃国へ踏み入ったのが連合赤軍
  • 連合赤軍には水戸天狗党尊皇攘夷の遺伝子が継承されている。
  • 水戸天狗党連合赤軍を並べるとき、平和的な保守政権(徳川幕府戦後民主主義)への反抗を軸にすると捉えやすい。
  • 大河ドラマは1963年スタート、60作品中24作品に徳川家康が登場する理由は簡単で、対外平和を唱える戦後民主主義政府が徳川幕府を倒した明治政府を乗り越えるべく成立したという〈敵の敵は味方〉論法に則っているから。

所以107

  • 武蔵野探勝のような遠州探勝を。風景の領土化のための俳句・短歌・詩の吟行を。
  • 名古屋で流行った文化やカルチャーは2年遅れて浜松へ到達する、らしい。
  • 観光客とはなにか。ここまで述べてきたとおり、それはまずは、帝国の体制と国民国家の体制のあいだを往復し、私的な生の実感を私的なまま公的な政治につなげる存在の名称である。それはネグリとハートが提案したマルチチュードの概念に近い。/マルチチュードは、共産主義の長楽のあと、反体制の運動の可能性に対して肯定的に言及するときに使うことができる、哲学に残されたほとんど唯一の概念である。(東浩紀『観光客の哲学』ゲンロン)
  • 観光客こそが、その郵便的マルチチュードである。(東浩紀『観光客の哲学』ゲンロン)
  • 郵便的とはここでは、あるものをある場所にきちんと届けるシステムを指すのではなく、むしろ、誤配すなわち配達の失敗や予期しないコミュニケーションの可能性を多く含む状態という意味で使われている。(現実の郵便事業の関係者は嫌がる用法かもしれないが)。(東浩紀『観光客の哲学』ゲンロン)
  • ↑そんなことないよ。
  • 観光の本質が情報の誤配にあること、そしてその誤配がある種の啓蒙に通じていることを示している。(東浩紀『観光客の哲学』ゲンロン)
  • 郵便的不安は、ぼくの死とあなたの死を、あるいはぼくの生とあなたの生を、ともに交換可能なサンプルとして扱う、その数の暴力に日常的に曝されることで生まれる不安である。(東浩紀『観光客の哲学』ゲンロン)
  • ヒトの体温まで気温が上がるとキツい。
  • 宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」の牧眞人は碇シンジ、ヒミさんは綾波レイ。父親と会話(側頭部にケガをしたときの鉄道の話とか)が通じないのは碇ゲンドウだから。あるいは眞人の父親は、航空部品会社を経営しており、オイディプス的国家とも言える。
  • 君たちはどう生きるか」、ストーリーを楽しむというより、構図と絵画美そしてジブリ過去作との類似構図を楽しむアニメだ。
  • 君たちはどう生きるか」、ヒサコの書き置きはヒサコ=ヒミの証拠となる。
  • 君たちはどう生きるか」、声優ヒミのあいみょんの張りのある声がいい。「すばらしじゃないか」は泣かせる。
  • FCIV.NET 立体的なcivilization
  • 〈東京で内定を得し子の電話切れば一人の部屋の静けさ/湖西市 佐藤きみ子〉と〈夕影に網打ち鮎を捕へゐし天竜川の父のまぼろし浜松市 松井惠〉遠州の歌詠み。(朝日歌壇2023年7月30日馬場あき子選)
  • 自発的に他人のために、或いは社会のために働く人はめったに心を病まない。「自分のために」が少しでも差し挟まれるとたちどころに心を病む。
  • 全員ではないが、一部の心を病んでいる人の行動原理に「他人のために」「社会のために」がない。かつて全体主義的だとしてこれらの理念が排除されそれが持続されているために心を病まなくてもいい人が現在心を病んでいる可能性がある。
  • アドラー心理学の共同体感覚と(自己満足な)貢献感に偏り過ぎか?

所以106

  • 輪郭のはっきりした絵はそれが何を表現しているのかを明確に伝えたい。
  • 奄芸郡林城安芸郡芸濃町林)、長野工藤氏の一族林裕行や林重越の居城(林城屋敷城/古城盛衰記)だったか? 亀山城主関盛信やその家臣の鹿伏兎定信に林氏は林城を逐われる。
  • 言語の力を信用する人は、国会議員を信用できる。どちらも代行主義だから。
  • 現代のメディア的状況は、私には天使主義的であり、古代のグノーシス主義の再来の側面があるように思われる。(山内志朗『中世哲学入門』ちくま新書
  • ↑唐突だな。
  • 山田晶テーゼ〈エッセンチアはエッセにおいてエクシステレスする〉
  • 物憂く廻転する椅子の上に/目の赤い魚が一匹乾いてゐた(吉岡実「昏睡季節Ⅰ」『吉岡実全詩集』筑摩書房
  • 砂の上に日曜日が倒れてうづまる(吉岡実「昏睡季節Ⅱ」『吉岡実全詩集』筑摩書房
  • 繋辞に相当するものは、古代中国語にもアラビア語にも存在しなかった。(山内志朗『中世哲学入門』ちくま新書
  • 自存する存在そのもの(ipsum esse subsistens)を認識するのは神の知性だけであり、神の本質を認識することは人間の自然本性的能力を超えている。(山内志朗『中世哲学入門』ちくま新書
  • 神においては存在(esse)と本質(essentia)は同一である。(山内志朗『中世哲学入門』ちくま新書
  • アラビア語で〈もの〉はシャイウشيء
  • アラビア語のシャイウは特異な概念であり、存在と非存在を含むとされる。事物は刹那滅の相にあり、存在と非存在が交互に交替するものとされる。(山内志朗『中世哲学入門』ちくま新書
  • 無限なる実体の海 pelagus infinitae substantiae
  • 短詩型文学も含めて日本の近代文学は、日本文学の古来の「伝統」を、基本的には「女」に分担させることで「男」性としての西欧リアリズム(写生)の導入を図ることができたと言えるだろう。(「俳句(=男性原理)におけるフェミニズムの系譜」『絓秀実コレクション2』blueprint)
  • 当事者主義は万能でないどころか、必ず頽廃する。(「当事者中心主義の彼岸」『絓秀実コレクション2』blueprint)
  • 全ては終わったと言うことによって、終りを引き延ばしにかかろうとするのがポストモダニズムである。(「ビールはポストモダン的な飲み物である」『絓秀実コレクション2』blueprint)
  • セクハラが当然にも社会的に禁じられているにもかかわらず、セクハラを自らに禁じることがレイプに通じてしまうのと同様である。(「「男らしさ」のディレンマ」『絓秀実コレクション2』blueprint)
  • サラリーマンは、全く栄養バランスを欠いたフルコースを食べることによって、今日のグルメ志向や健康幻想を嗤っていると言って良かろう。(「ラーメンはアンチ・グルメのフルコース」『絓秀実コレクション2』blueprint)

 

千葉皓史『家族』ふらんす堂

淡々と日々。〈とんとんと事の運べる息白し/千葉皓史〉上手くいっているのはいいことだけれど、気忙しくなる。〈ま近くに駅あるらしき櫻かな/千葉皓史〉人の気配がある、街の動く気配がある。春は人が外に出て、動く。〈薔薇園のみじかき道を行きにけり/千葉皓史〉庭園の道は短い。〈丸められたるセーターを預かりぬ/千葉皓史〉雑な人なのだろう。〈熊皮は折り猪皮は巻きにけり/千葉皓史〉獣皮の保存方法。〈すべらせて配る白紙や夜の秋/千葉皓史〉夜学のプリント配布であろう。〈船が押す岸の動かぬ冬隣/千葉皓史〉そりゃあ動かないけれど、動くと思って動かないのが冬隣の気分。〈秋風をのせてふくらむ水面かな/千葉皓史〉波の一表現として。〈夕暮れは道ひろきとき桐の花/千葉皓史〉影が長くなり道をひろく感じるのだろう。〈甲板に仰ぎ見るべし夏の山/千葉皓史〉望郷の視線である。〈蜻蛉の行き交ふ街に商へる/千葉皓史〉露店だろう。青空の下で売り文句を述べる。これは〈店番の独り働きいわし雲/千葉皓史〉とも通じる。〈声ちぢむ水鉄砲をしてゐるよ/千葉皓史〉うわああと逃げている。撃たれた水が冷たくて身を縮め、声も縮む。〈引きかえす他なき空の澄みにけり/千葉皓史〉負けを認めることの清々しさ。〈金星の生まれたてなるキャベツ畑/千葉皓史〉金星の大きさとキャベツの小ささの対照が愉快。〈警官の隠れどころの青芒/千葉皓史〉いまどき芒原で張り込みである。交通違反の監視か。

所以105

今井杏太郎「海の岬」『今井杏太郎全句集』角川書店

ときどき読みたくなる今井杏太郎。〈うすらひといふつかの間の水の色/今井杏太郎〉薄氷は、水というはるかな時間にとって一瞬にすぎない。〈眠るなら紅梅の散る海がいい/今井杏太郎〉水葬されるなら。〈南より北へながるる春の川/今井杏太郎〉日本海へ注ぐのかなぁ。〈春風に吹かれて貨物船の来る/今井杏太郎〉帆船ではないけれど、ゆったりゆっくりと来る。〈眠らうとおもへば春の星の降る/今井杏太郎〉これでは夢なしに眠れないじゃないか。〈新緑のいろのこぼれを愉しみぬ/今井杏太郎〉「いろ」とひらいたのが良い。〈夜が明けてくる短夜の鳥のこゑ/今井杏太郎〉鳥が夜明けを繰り上げてゆく。〈風のある町を歩いて祭かな/今井杏太郎〉鯨ヶ丘の祭、丘の上の祭とかを思う。〈桑の実の色づきしよりうすぐもり/今井杏太郎〉桑の実はすこしくすんでいるね。〈湯の町に湯の川泰山木咲けり/今井杏太郎〉泰山木の花の荒々しい白が温泉街っぽい。〈いちにちがゆるやかに過ぎ草茂る/今井杏太郎〉いまではいろいろな意味に捉えられるけれど、ゆるやかに時間が過ぎてもそれは草にとっても同じ時間なのだろう。〈涼しさやむかしは水に影ありぬ/今井杏太郎〉あったのか?〈いつ見てもゑのころぐさの揺るるなり/今井杏太郎〉いつ見ても。〈きのふより葡萄のいろの濃くありぬ/今井杏太郎〉本当にきのふから?〈颱風の南から来るさびしさよ/今井杏太郎〉南のあそこのあたりはさびしい空だ。〈下総は背高泡立草のなか/今井杏太郎〉総の字は背高泡立草っぽい。〈こほろぎに透明といふ冥さあり/今井杏太郎〉透明にして冥いという不思議。〈霧をゆく人あり水になりながら/今井杏太郎〉人は消えてゆくのだろうか。〈仄暗き夜を虫売の帰るなり/今井杏太郎〉虫売にも帰る家がある。〈秋の夜は海の岬の空にあり/今井杏太郎〉岬は境い目にある。〈魴鮄に眼のあることの寂しさよ/今井杏太郎〉ある、でも寂しい。〈梟のこゑは信濃の山の風/今井杏太郎〉たぶんね。〈寒さとはかなしみに似る歩かねば/今井杏太郎〉一歩ずつでも進む。〈山よりもしづかに冬の滝の水/今井杏太郎〉滝は動いていないのかな、山にある唯一の音が滝と思うときもあったけれど。〈東京をあるいてメリークリスマス/今井杏太郎〉いいなぁ。道行くひとへちょっとメリークリスマス、なんて。〈いくつもの星が師走の空にあり/今井杏太郎〉ゆく年のさようならの数だけ。

所以104

  • 現代社会の基盤は現代思想がつくり、現代詩歌が先導し、現代詩歌を参照した現代芸術があとから続く。
  • 現代詩歌が先導するのは着想から完成までが最短だから、特に現代短詩は。ライフサイクルの短い生物のほうが進化が速いように、現代詩歌は頻度が高いため先導する可能性が高い。
  • いま現代日本社会の混乱と停滞は、現代詩歌を誰も参照しなくなったこと、現代芸術が自らも現代詩歌が可能だと過信したことに原因がある。
  • 四歳児は睡眠時のかかと落としが激しくなる。ふくろはぎや足裏を中心にマッサージして足裏にタイガーバーム(薄荷成分)を薄く塗るとかかと落としが緩和される。
  • ギョサン
  • 「少女論」とは少女が無であることを知るがゆえに、それを「敗北」として享楽しようという態度を指す。(絓秀実『革命的な、あまりに革命的な』ちくま学芸文庫
  • 承認欲求は悪いものではない。ただ、同等な外向きの力を伴わないと欲求は実現されにくい。他者を楽しませるか、他者を批判するか、どちらでも構わないが他者へ働きかける力が担保として必要だ。
  • 【自由副刊】【書與人】我必須在詩裡坦白 - 鯨向海談《A夢》
  • 「………お………よそう」「へっ?」「おれ、飲むのよすよ」「どうしてさァッ?」「また夢ンなるといけねェや」(「芝浜」『志ん朝の落語5 浮きつ沈みつ』ちくま文庫
  • 要するに一人で書いていてもガタリのなかには「複数の誰か」がいる。(上野俊哉『四つのエコロジー河出書房新社
  • 響存 vibrant resonating existence
  • ガタリがエコソフィーという言葉を使うようになったのは、主体/主観性の概念そのものを変容にみちびく出来事の持続可能はプロセスを大文字の「革命」、とりわけ「党」によって主導される変革にではなく、自然から社会、精神――および本書の読みとしては情報――までをふくむミクロな生態系や環境系において/を通してとらえようとしていたからではないか。(上野俊哉『四つのエコロジー河出書房新社
  • つまり減速もまた、加速主義accerationismの一部と見なすことができる。(上野俊哉『四つのエコロジー河出書房新社
  • 科学、哲学、芸術はそれぞれにカオスに接近しながら、カオスの娘、カオイドとしてそれぞれに自分の仕事をおしすすめる。そしてそれぞれが自らの営みにおける非科学、非哲学、非芸術に接近する。自らに反するものに出会うことによって三つの領域は自らをゆたかにする。(上野俊哉『四つのエコロジー河出書房新社
  • 特にガタリが日本に着目したのは、そこでは古代的、もしくはアルカイックですらある主体感(主観性)を最も「進んだ」生産形態に物質的にも社会的にも接ぎ木していて、それによって奇跡的な経済成長をとげていたからだった。(上野俊哉『四つのエコロジー河出書房新社
  • 貯蔵庫・蔵 reserve reservoir、非物質で非物体の出来事は体現されない、それは純然たる蔵だ。
  • モナドが自らの境位を超えるという、モナドジーを超えたノマドジー
  • 自由港 自由港書店

所以103

  • 何人かの禿頭がひっついて一個の月になった。(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『戦争と世界』土曜社)
  • 近代短歌を読んだあとより和歌を読んだあとの方が作る現代短歌の質が上がる現象。
  • これは詩的発想にとって大事なのは読んだ文字列より読んで得た想像の方だからだろう。
  • 詩的発想にとって大事なのは隔たりの遠さ。
  • おそらく、/もう/時間というカメレオンには/色が一切残っていないのだ。(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『戦争と世界』土曜社)
  • 取りこぼされた他者を見出し、より根本的で普遍的な理論を展開し、その際は極端まで突き詰めて、常識と対峙する新現代思想
  • こうなると哲学はほとんど、詩が行おうとするような、常識的な言葉遣いでは表現できないものを表現するという領域に踏み込んでいます。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • メイヤスーは、人間がどう意味づけるかに関係なく、ただ端的に存在している事物があり、そしてそれは一義的に何であるかを言える、つまり、唯一の真理として「これはこうというものだ」と言える、という主張をします。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 世界は謎の塊ではない。散在する問題の場である。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 自由間接話法 discours indirect libre
  • 無人島 île déserte
  • ドゥルーズがここで言わんとしているのは、無人状態の島に誰かが一人ぽつんと置かれたとしても、この非-無人状態――島という客体に人という主体が住まう状態――が直ちに発生するかどうかは疑わしい、ということである。(國分功一郎ドゥルーズの哲学原理』岩波現代全書)
  • もうひとつの日本の道という眩暈。東京が西洋資本主義の東の首都たることを拒否し、第三世界の解放の北の首都になるという、目眩のするような道(フェリックス・ガタリ、杉村昌昭訳「誇らしげな東京」『エコゾフィーとは何か』青土社
  • 地図作成、脱領土化、生成変化
  • マルクス主義アナーキズムに対して――日本のみならず――世界的に勝利した理由は、後者が「歴史の必然」を論証できないことにあったことは明らかである。(絓秀実『革命的な、あまりに革命的な』ちくま学芸文庫
  • 無人島と他者の理論によってその原光景が描かれ、自我も統覚も意識も前提としない、真に超越論的な発生素としての出来事が発見された。(國分功一郎ドゥルーズの哲学原理』岩波現代全書)
  • 分析的方法は、与えられた事実、つまり結果から出発し、それを細かく分析することで原因に到達しようとする。それに対し、総合的方法は、あらゆる物事がそこから出来する原理、すなわち原因から結果に向かって進む。(國分功一郎ドゥルーズの哲学原理』岩波現代全書)
  • そこで争われたのは、まず何よりも、芸術的センスの有無が同時にニューレフトのアイデンティティーを保証するという問題なのであった。(絓秀実『革命的な、あまりに革命的な』ちくま学芸文庫
  • しかし、失敗を目指すことはできない。失敗は、目指した途端、失敗ではなくなるからである。(國分功一郎ドゥルーズの哲学原理』岩波現代全書)
  • 自由間接話法を用いて哲学者を論じていた時のように、語っているドゥルーズは語られる側にあるガタリに生成変化している。(國分功一郎ドゥルーズの哲学原理』岩波現代全書)
  • 〈病理説〉と〈はけ口説〉として知られる、マスターベーションの動機に関する仮説は、オートセクシュアルな行為を明確な進化的目的とは無縁な、性的衝動から派生する行為としてみなしている。(自慰の起源は4000万年前──その進化上のメリットが明らかに
  • 〈交尾後の淘汰説〉は、霊長類のオスはマスターベーションをより早く射精に至り、メスとの交尾に備えて、受精の可能性を高めるより新鮮で高品質な精子をつくる手段として用いているというもの。もうひとつが、自発的な射精によって尿道を洗浄し、病原体を排出することで性感染症の蔓延を防ぐという〈病原体回避説〉だ。(自慰の起源は4000万年前──その進化上のメリットが明らかがたりに
  • ガタリは思想家ではなく詩人になるべきだったのでは。
  • 構造は一般性の次元に属する。そこでは、各項が取り替え可能である。それに対して、機械は反復の次元に属している。反復は置換不可能・交換不可能な特異性に関わっている。(國分功一郎ドゥルーズの哲学原理』岩波現代全書)
  • どんな出来事も日付をもっている。そして、同じ日付は二度と繰り返されない。機械は日付のある出来事を扱う。それは、つまり時間を扱うということであり、歴史を扱うということである。(國分功一郎ドゥルーズの哲学原理』岩波現代全書)
  • 旅人に雨降りかかり春来たる/池上浩山人
  • 耳にウォークマンをつけて徘徊している若者たちに住み着いているのは、彼らが生まれた土地からはるか離れたところで産出されるリトルネロにほかならない。(フェリックス・ガタリ、杉村昌昭訳『エコゾフィーとは何か』青土社
  • リゾームブラックホールを無視することができない。なぜならブラックホールはすべての地層化を構成するからである。しかしリゾームの政治はブラックホールを回避するとともにブラックホールを組織するところにある。(フェリックス・ガタリ、杉村昌昭訳『エコゾフィーとは何か』青土社

所以102

  • バーミヤン浜松白羽店はいつも人手不足。
  • 6月24日(土)、プリゴジン氏ワグネル2万5000人の叛乱。ロシア連邦軍の一部がプリゴジン氏のクーデターへ寝返ったとも。
  • 私の友人で、ニューヨークに住んでいるアメリカの詩人は、出版社のプロモーションなどで、よく各地の店頭で自作の詩の朗読をする機会があると言っていました。その他、大学や図書館、コミュニティセンターのようなところでもそうした催しが頻繁に開かれるということです。(堤江実『朗読力 心に伝わる「ポエトリー・リーディング」』PHPエル新書)
  • 声に出して詠むことは、詩を読んだ感動をからだで確かめることなのです。(堤江実『朗読力 心に伝わる「ポエトリー・リーディング」』PHPエル新書)
  • 逆説的ですが、言葉を豊かにするのは、言葉のない時間、ただ黙って自分と向き合い、自分を見つめ、心の声を聴く時間なのだと思います。(堤江実『朗読力 心に伝わる「ポエトリー・リーディング」』PHPエル新書)
  • 日常のなかに溶け込む詩の朗読。
  • 6月25日(日)早朝、プリゴジン氏の軍事蜂起はショイグ国防相らを更迭するためのプーチンと仕組んだ茶番劇?
  • 十二時が落ちた、/断頭台から落ちる死刑囚のように。(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『ズボンをはいた雲』土曜社)
  • ドアたちが突然がたがた言い始めた。/ホテルも恐怖のあまり、/歯の根が合わないのか。(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『ズボンをはいた雲』土曜社)
  • むりだ、心臓から飛び下りるのは!(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『ズボンをはいた雲』土曜社)
  • 見たことがありますか、/殴る人間の手を犬がぺろぺろ舐めるのを⁈(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『ズボンをはいた雲』土曜社)
  • 日本の社会がこれまでの村的社会から個人が自立した社会へ大きく変わろうとしている現在、日本語にどうやって他者を取り込むことができるのかが重要な課題になると思います。(楠かつのり詩のボクシング 声と言葉のスポーツ』東京書籍)
  • そうやって視覚によって聴覚が機能し始める、つまり言葉の本来の姿が喚起されるとき、詩的な言葉は具体的に読者一人ひとりのものになるという考えがありました。(楠かつのり詩のボクシング 声と言葉のスポーツ』東京書籍)
  • それにはまずコミュニケーションの大本ともいえる身体を使って人と声を交わすことから始めるしかないと思ったわけです。(楠かつのり詩のボクシング 声と言葉のスポーツ』東京書籍)
  • とにかく人の声を聴くということです。生の声の時間に付き合うということですね。(楠かつのり詩のボクシング 声と言葉のスポーツ』東京書籍)
  • 6月25日(日)夕方、いつのまにかプリゴジン氏はベラルーシへ亡命していた。いつのまにかロシアの騒動は集結していた。
  • マヤコフスキーの自作朗読はすばらしかった。異様に強い表現力と、思いがけないイントネーション。そして朗読者としての技術や、陰影の付け方と、詩人のリズミカルな意識とが、完全に結びついていた。それまでに、マヤコフスキーの詩を本で読んで、詩の行が切れ切れになっていることの意味がわからなかったとすれば、マヤコフスキーの朗読のあとでは、その意味や必然性が、リズムのためにもそれは必要なのだということも、すぐわかった。(小笠原豊樹マヤコフスキー事件』河出書房新社
  • あとはもう、/銃殺するならしろ、/柱に縛りつけろ!/おれは顔色ひとつ変えないよ!/なんなら、/エースの札を/おでこに貼ろうか。/的がはっきり見えるようにさ⁈(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『戦争と世界』土曜社)

所以101

  • 言語創造と言語習得の段階で、ヒトは非論理的な推論を試みる。その試みをするときの昂揚を再現しようとする言語芸術が、詩だ。
  • 詩は乳幼児の言語習得的興奮の再現である。
  • たけし文化センター
  • 今日における社会のクリーン化は、人間の再動物化という面を持っているのです。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 定型詩、特に現代短歌はアポロン的なものディオニュソス的なものの拮抗状態だ。
  • 短歌は、全国語だったわけです。(佐佐木幸綱鶴見和子『「われ」の発見』藤原書店
  • 万葉集の時代。
  • ただそのことに直面するのが通常は怖いので、人はさまざまな物語的理由づけをします。しかし精神分析の知見によれば、まさにそのような物語的理由づけによって症状が固定化されているのです。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 昭和のある時点まで家は職能単位であったが、いつしか職能は失われ単なる血縁家族になった。
  • かつて「家を守れ」は職能単位を守れという意味だったのにいつのまにか欧米由来の家父長制的家を守れという意味に変質した。
  • 弱者帝国主義の構成員の参加は拒まないが、弱者帝国主義とは与しない。
  • 現代思想によって打ち立てられた弱者帝国主義は、自身の権威化により現代思想によって打ち倒される。
  • 浜松市は文化芸術分野の弱者帝国主義と遭遇しやすい。
  • 6月21日(水)、児が高熱38.4度。流行中のRSウィルスか? 鼻水と咳、下痢?
  • ホクナリンテープ1mg。
  • 自家受粉できぬものとして本来は短歌、あるいは甘果桜桃 中島裕介
  • 浜松市で何らかの文化芸術活動に携わる健常者(軽度の非定型発達者を含む)は「健常者なのに文化芸術に携わっていいのか?」という自問自答無しに「意義ある」文化芸術活動はできないし、その自問自答を経ないとカタチにはならない。
  • しかし、文化芸術分野の弱者帝国主義へ抗うレジスタンス運動が、浜松市の周縁から起こりつつある。
  • 北と南から中央を挟撃せよ!
  • 凡人診断
  • バミリオン・プレジャー・ナイト
  • 下部構造、ディオニュソス的なもの、盲目的な意志、無意識という近代的概念を遡ったものとしての質料。
  • 教育とは、まず制限なのです。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 本能的・進化論的な大傾向はあるにせよ、欲動の可塑性こそが人間性なのです。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 人間は本能のままに生きているということはなく、欲動の可塑性をつねに持っているという意味で、人間がやっていることはすべて倒錯的なのだということになります。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • ぼくは同時に立候補する、全宇宙の皇帝に、/そして/流刑囚に。(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『背骨のフルート』土曜社)
  • 今のところ/パリ・モードの服の代りに/きみにはタバコの煙を着せよう。(マヤコフスキー小笠原豊樹訳『背骨のフルート』土曜社)
  • マヤコフスキー研究
  • 福宿摩耶子(ふすき・まやこ)