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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

所以100

  • デリダはひじょうに複雑なものを書きますが、それはデリダ自身がまず他人のテクストをきわめて高解像度に読む人だからで、そもそも「読むって、これくらい読みますよね?」というデフォルトの基準がハンパなく高いのです。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 文芸系の新人賞への応募、受賞して人生を変えたいと思っている限り受賞は難しく、それ以降を考えてもその文芸で自分の人生を変えてから受賞した方がいい。
  • 自分の人生さえ変えられなかった文芸なんて他人が読む価値ある?
  • 差異の哲学とは、必ずしも定義に当てはまらないようなズレや変化を重視する思考です。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 我々は決断を繰り返しながら、未練の泡立ちに別の機会にどう応えるかということを考え続ける必要があるのです。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • ひとつの決断をデリダ的・レヴィナス的観点から「潰そう」とすることはいつでも任意に可能なんです。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 6月14日(水)、大石早生という李の種を洗い、濡らした脱脂綿に包んで冷蔵庫へ入れた。
  • スポークンワード浜松またはポエトリーリーディング浜松または「遠州詩韻」、ゲスト1組+1人5分のオープンマイクあり。現代詩・短歌・俳句・ラップ・歌唱・古典芸能・政談ほかなんでも可。浜松市磐田市など。
  • 世界は、無数の多種多様なシーソーである。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 自分をむしろ硬直化させて治ったような気にさせるまやかしの技法だ。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • ↑トラウマなどを中心に据える精神分析について
  • すべての関係性は生成変化の途上にあるのです。(千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書
  • 偽の英語であっても、それにしがみつくことは、もうひとつの現実の存在を主張することなのだ。(リン・ディン、柴田元幸訳「!」『血液と石鹸』早川書房
  • Loose Drawing
  • 東京でライブをやると大体打ち上げがない。この日も無かったのだけれど、恐らくライブはハレの日では無くて、自らの発露、または懸けている場所であって地方とは意味合いが違うのだと思う。(喜多良介『LOCAL DRUMMER in matsumoto, nagano, japan 2023』)
  • 換喩的思考ができるからこそ、人間の言語はオノマトペを発達させられると言ってもいいだろう。(今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』中公新書
  • ブーストラッピング・サイクルを駆動する立役者はアブダクション(仮説形成)推論である。(今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』中公新書
  • 後件肯定の誤謬
  • 対称性推論をごく自然にするバイアスがヒトにはあるが、動物にはそれがなく、このことが、生物的な種として言語を持つか持たないかを決定づけている、という仮説である。(今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』中公新書
  • 論理的に正しくない対称性推論や相互排他性推論が、居住地を地球上のいたるところに広げていった人類言語の起源にかかわっているかもしれない。

 

所以99

  • 〈情勢論〉こそ、政治的思弁が永遠にぬけだすことのできない運命なのである。(高橋和巳『孤立無援の思想』岩波書店
  • 現在と現実の勢力関係から政治は逃れられない。
  • 元来、民主主義政治というものは、本質的に情勢論を超えようとしない性質をもつ。(高橋和巳『孤立無援の思想』岩波書店
  • ジョーダン・スミスJordan Smithの、椎名林檎についての詩の朗読をもういちど聴きたい。
  • 政治および政治的思考では解決しえずして抑圧されるものを、みずから咎なきにもかかわらず、文学はひきうけねばならないと、私はつねづね考えている。(高橋和巳『孤立無援の思想』岩波書店
  • tratu ベトナム語オンライン辞書
  • 2019年9月28日、児がはじめてひとりで歩いた二足歩行記念日。
  • 〈ゆけどもゆけども山茶花の散りぎは/干野風来子〉『夕映の北岳本阿弥書店
  • 代わりに1歳以上であれば、ハチミツとヴェポラップをお勧めすることが多いです。(私の診療方針 かぜ
  • 小児の鼻詰まりや咳にはヴェポラッブが効果的だ。タイガーバームも試したい。
  • 「サンパチロク」といわれる八八八六を基本とする琉歌とベトナムのThể lục bát 體六八という、八六調の南方定型詩の流れ。
  • 私自身もグレーゾーンの句をよく書きます。俳句を書いたつもりですが、俳句なのか川柳なのかその他の一行詩なのか、もはや私にもよくわかりません。ただ、これらのようなグレーゾーンの大渾沌(パンデモニウム)のど真ん中から、短詩の新しい論作が生まれてくるのではと、直感的に思っています。(堀田季何『俳句ミーツ短歌』笠間書院
  • 解釈共同体としての結社があり、解釈の遠すぎない結社の集合体としてそれら協会がある以上、仕方ないことです。(堀田季何『俳句ミーツ短歌』笠間書院
  • 俳句のように極端に短い詩形では、イメージ喚起力のある言葉を用いることが重要です。(堀田季何『俳句ミーツ短歌』笠間書院
  • 日本では五七五という音の数に長い歴史があり、十七音であることに意味がありますが、外国にはそうした歴史がありません。(堀田季何『俳句ミーツ短歌』笠間書院
  • そして外山は、次の結論に辿り着く。〈型のできた運動は、自ら進んで破壊すること〉(藤原賢吾『人民の敵』百万年書房)
  • 外山はもちろんそうであるが、千坂もまた、革命を希求する。なぜか? 私のこの問いに、千坂の答えは明確だった。「この現実には、何の根拠もないからです」(藤原賢吾『人民の敵』百万年書房)
  • 外山は、これらに同調圧力に通じる構図を嗅ぎ取り、ポリコレを早くからこう訳している。「言葉狩り」さらに、フェミニズムも含め、それらが求める過度な表現規制などをこのように退ける。「多様性」などと言いながら、自らの価値観にだけ合致するように、世の中を築き直蔵としている――。(藤原賢吾『人民の敵』百万年書房)
  • ポストモダン思想への賛否に関わらず、それを理解していなければ作家活動はままならない。
  • 戦争が政治の破綻であるよりも、むしろむきだしの継続であるように、テロという孤立無援の行動は、戦争という集団行為の、追いつめられた継続なのである。(高橋和巳『孤立無援の思想』岩波書店
  • かすかに生ぐさい川のにおいが/立ち並ぶ建築をしずかに濡らしている(岩倉文也「傾いた夜空の下で」『傾いた夜空の下で』青土社
  • ひでえ汚れだ 時の翅音にあおられて/膨れあがった海の末裔なんだ(岩倉文也「いつか訪れる童話」『傾いた夜空の下で』青土社

西村麒麟『鶉』港の人

ひょろひょろと帰路。〈なつかざる秋の金魚となりにけり/西村麒麟〉懐く金魚とは? 夏飾るとも読める。〈いくつかは眠れぬ人の秋灯/西村麒麟〉首都高から見た高層マンションの灯。〈虫の闇伸びたり少し縮んだり/西村麒麟〉音の波として。〈上野には象を残して神の旅/西村麒麟〉象に跨がらない神もいる。〈細長き日本の楽器初しぐれ/西村麒麟〉音も細そう。〈闇汁に闇が育ってしまひけり/西村麒麟〉闇「ぴるる」〈ポケットに全財産や春の旅/西村麒麟〉気軽な旅、気楽ではないかもしれないが。〈燕来る縦に大きな信濃かな/西村麒麟〉多摩の横山の横に対して。〈掛軸の山河が遠し夕蛙/西村麒麟〉心の距離だ。〈夏蝶を入れて列車の走り出す/西村麒麟〉終点まで。〈訪れし人の数だけラムネ瓶/西村麒麟自動販売機のない峠道。〈香水や不死身のごときバーのママ/西村麒麟〉ずっといる。

どの島ものんびり浮かぶ二日かな 西村麒麟

所以98

  • 二元論を超えるためには、人は言語に無理をさせて詩人にならなければならない。
  • ノンバイナリーという二元論。
  • 言いたかったことを正確に言うために、ものを書いてどうなるというのか。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 私はいつも神以前の風景を追い求めてきた。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 結局はいつも自分が最新の敵に似てしまうのを知って以来、私はもう誰にも攻撃をかけないことにした。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 口調とは才能以上のもの、才能の真髄である。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 何もわざわざ自殺するには及ばない。人間はいつも遅きに失してから自殺するのだ。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 性のあり方・セクシュアリティには生物学的性・性自認・性指向・性表現の4つの要素のほかに、自己申告の性と公的文書上の性がある。いずれも男女二元論を基盤とする。
  • しかし、あのころの若者たちは、揃つて、話すことが嫌ひのやうに思へた。(岡井隆「中澤系さんの歌集のために」『中澤系歌集 uta0001.txt』双風舎
  • 客観的であることは、他者を一個の物として、屍体として扱うこと、他者に対して屍体運搬人の振る舞いに出ることだ。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 哲学者が人の心を読まなくなってから久しい。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 田舎でよく現代詩集・歌集・句集を読み、評すること。傍らに哲学と社会と自然についての書籍を読むこと。
  • 自意識は肉に刺さった棘以上のものだ。それは肉に刺さった匕首だ。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 私たちが最後まで背信行為を許そうとしない相手は、私たちが騙した人間たちである。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • ある作品の完成度を決定するのは、芸術的要請でも真理の発する要求でもなく、まさに疲労であり、さらにいえば嫌悪感なのだ。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 芸術が袋小路に入れば入るほど、芸術家がぞろぞろと輩出する。これは異常とも見えようが、仮に、芸術は衰滅の道を歩みながら、不可能なものになると同時にたやすいものになったのだ、と考えるならば、異常でもなんでもなくなるであろう。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 駄目な詩人がいっそう駄目になるのは、詩人の書くものしか読まぬからである。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • ふたりの敵とは、分割された同一人物である。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 肝心なことはひとつしかない。敗者たることを学ぶ――これだけだ。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 何ごとによらず、深く掘り下げたことのない人間だけが、信念を持つ。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • アフォリズムだって? そいつは炎なき火だ。誰ひとりそこで暖を取ろうとしないのも無理はない。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • おのれを中傷する快楽は、中傷される快楽にはるかに優る。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 人間は独特の匂いを立てる。あらゆる動物のなかで死骸の匂いがするのは人間だけだ。(シオラン出口裕弘訳『生誕の災厄』紀伊國屋書店
  • 大規模な歌会・句会ならいざ知らず、数人の歌会・句会などの勉強会で発言せず見学だけなんて、乱交パーティーに着衣で参加するようなもの。
  • 自分は愉しむだけで他人には愉しませない意図しか見せない人は何が目的なのかと疑われる。
  • 勉強会はギブアンドテイクで成立する。最初からテイクだけ宣言を許すと、会が成立しなくなる。
  • あなたが私の他者であることだけを理由に、あなたの発言は私にとって価値がある。

所以97

  • あらゆる苦悩は精神の領域においては例外なくひとつの幸運である。精神の領域においてのみ。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 苦しんだことのない者との会話は、すべて例外なく下らぬおしゃべりに過ぎない。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • ゴリラの目に浮かんでいる深い悲しみ。不吉な哺乳動物。私はこの眼差しの後裔だ。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 国家という国家には愛想が尽きた。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 人間はそれぞれ破壊された讃歌である。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 自分がひとかどの人物に思えるのは、何か大それた犯罪をもくろんでいるときだけだ。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 夭折しなかった者は誰であれ死に値する。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 子ども食堂を利用した子どもが食堂主を憎むこともある。
  • これに反して、ある物が偶然と呼ばれるのは、我々の認識の欠陥に関連してのみであって、それ以外でのいかなる理由によるものでもない。(スピノザ、畠中尚志訳『エチカ』岩波文庫
  • 第9回詩歌トライアスロン公開選考会で聞いて自分なりにまとめた新人賞などへ出す短歌連作の構成以外のチェックポイント
  1. 語尾をバラけさせ、体言止や「―る」止めの多用を避けているか?
  2. 韻律をストンとひとつに落とさず、歌であることを意識できているか?
  3. 動詞を多用して焦点をボヤけさせず、歌の焦点をひとつにしているか?
  4. 「―あそび」「―夢」「―試み」などというオチにして読み手を興醒めさせていないか?
  5. 発想をトばせているか?
  6. 発見の歌・実感の歌が含まれているか?
  7. さまざまな技巧を使えるとアピールできているか?
  8. ムダなリフレインをしていないか?

渡部有紀子『山羊の乳』北辰社

小世界という愉しみ。〈夏休みドールハウスに世界地図/渡部有紀子〉ドールハウスに小さな世界地図がある。それを見て人形たちの旅を思う夏休みのささいな楽しみ。似た趣きは〈夜店の灯にはかに玩具走りだす/渡部有紀子〉や〈箱庭の夕日へすこし吹く砂金/渡部有紀子〉にも。小世界を愛でる。〈朝市の魚に歯のあり復活祭/渡部有紀子〉宗教臭くない生活のなかの魚だからこそ季語が活きる。同じ復活祭の〈均等に麺麭切る機械復活祭/渡部有紀子〉はたぶん13枚に切る。〈ジャム瓶の蓋は金色夏立ちぬ/渡部有紀子〉日常のちいさな発見。〈線細き信玄花押山眠る/渡部有紀子〉信玄と山は付きすぎかもしれないが、「線細き」が意外で佳句。〈移されて金魚吐きたる泡一つ/渡部有紀子〉世界の変化にたじろがぬ金魚が印象的。〈枇杷の花階段続く島の径/渡部有紀子〉枇杷の花で、傾斜地に建てられた漁村の密集具合を想像できる。家々のあいだを縫うように曲がり細い階段だろう。〈渡り鳥折紙にある山と谷/渡部有紀子〉折紙の山折りと谷折り、渡り鳥という季語を斡旋しただけで折紙という小世界を飛び回る鳥を思う。〈フラスコの底の結晶鳥雲に/渡部有紀子〉何の結晶かはわからないけれどフラスコの底にあるのは何か気体が飛び去って残った結晶で、それが季語と共鳴する。雲と塩と。〈ガチャポンの怪獣補充炎天下/渡部有紀子〉世界の隙間への着眼点がおもしろい。〈八月の折紙の裏みな真白/渡部有紀子〉確かに。今のカラフルな平和の裏にある真っ白な世界とは何だったのか、みんな忘れてしまっただけではないのか。

朝焼や桶の底打つ山羊の乳 渡部有紀子

 

所以96

  • 参加しました。→『さみしい夜の句会第Ⅱ集』満点の星。
  • マンガで被害を主張、はまず疑うのがネットリテラシー
  • マンガは、被害者にしたい側をかわいらしくそして加害者にしたい側を醜くや黒ベタで描けばそれだけで読者に固定観念を与えられるから、マンガを使った被害の主張はまず疑ってかからないとならない。
  • つまり、現代都市の風景には、異なる時代の敗者たちの記憶の層が幾重にも積み重なっており、そうした重層性に目を凝らすなら、都市の隙間やくぼみ、場末のちょっとした場所にいくつもの歴史の孔、敗者の想像力とのコンタクトゾーンが伏在していることに気づきます。(吉見俊哉『敗者としての東京』筑摩選書)
  • ある思想的活動が発達すればそれへの反論も発達する。反論が集積されれば新しい思想的活動が生まれる。
  • 衣食住は配給・支給制でいい。
  • 衣は、12色と数パターンのデザインから選択自由な下着・衣服・靴下・靴を支給。
  • 食は、米・味噌・全脂粉乳・魚の缶詰・乾燥玉ねぎ・乾燥キャベツ・乾燥にんじん・乾燥りんごを配給。
  • 住は、独身者に集合住宅の一部屋を、夫婦と二児までの世帯に平屋を、三世代同居の世帯に二階建を支給する。平屋と二階建は駐車場・浴室・トイレなどを追加可能な設計、再生可能な資材で建てられる。
  • 平屋と二階建は外壁塗り替え可能。
  • もちろん建築事務所や食堂・食料品店や衣料品店は、購入希望者のために存続できる。
  • 初等教育中等教育はもちろん高等教育も学費は無料、講義時間を勤労者も受講しやすい時間帯にする。
  • 1日8時間労働×週4日勤務か、1日6時間労働×週5日勤務かを選択し月の手取り15万円程度を想定。
  • 人は性器の形状だけでは性別を判断できないので、公的文書に示された性別がその人の性別となる。
  • ひとつの文明が滅亡するのは、その神々が滅亡したときだけだ。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 私たちの内部には、死のうという意志よりはむしろ死にたいという気持ちがある。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • いまだかつて一度たりとも自殺を考えたことのない者は、絶えず自殺を念頭に置いている者よりもずっと素早く自殺を決意するだろう。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 欲望することを止めてしまえば、とたんに私たちはあらゆる世界の市民となり、同時にいかなる世界の市民でもなくなる。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 身の毛のよだつ幸福。無数の遊星のふくれあがる血管。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 世に忘れられて死ぬよりは軽蔑されて死にたい、これが栄光を願うということだ。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 悪名は無名に勝る。
  • 私が夢みているのは、個々の言葉があたかも拳のように顎の骨を打ち砕く、そんな言語だ。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 暴君は睡らない――これこそ暴君の本質的定義である。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 衰弱と思想とを混同するのは間違いである。これを混同すれば、精神に沈滞をきたした者は誰であれ自動的に思想家になってしまうだろう。/何より始末におえないのは、実際こういう人間が思想家になっていることだ。(シオラン、金井裕訳『悪しき造物主』法政大学出版局
  • 確かに、そういう思想家は多い。

所以95

  • Freeciv
  • 米サザン・インディアナ大学(USI)による最近の分析では、肉を含まない食事は雑食性の食事よりも高いうつ病や不安レベルと関連していることが示されました。(心の病が「肉食を放棄させている」可能性が高い
  • 鶏が先か卵が先か、鬱が先かヴィーガンが先か。
  • 観光ではなく観闇(ダークツーリズム)を。
  • ただ、存在が消え去ったあとに遺った世界の影が深い青色をしていることを抱一も知っていたのだと思うと、わたしの心はふにゃふにゃのゼリーみたいに震えるのでした。(小津夜景・須藤岳史『なしのたわむれ』素粒社)
  • 語学っていうのは、新しい言語を学ぶっていうのは、楽しんだもん勝ちだからね。(済東鉄腸『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』左右社)
  • 鉄腸野郎Z-SQUAD!!!!!
  • scena9
  • VICE România- Tettyo Saito
  • LITERNAUTICA Revistă de literatură și alte mofturi
  • 合歓の木の木陰で/ほろびゆく言語を話す最後の人々もいる/ということにも、静かに思いを寄せるべきだったのに(野村喜和夫『花冠日乗』白水社
  • なぜ、被害者猊下しか他人の言動が真摯さか否かを判定する権力を持ちえないという信仰がうまれたのか?
  • 脳外科医 竹田くん
  • 江戸氏は交易上の要衝である江戸前島を支配していましたし、秩父平氏は鉱山開発をして金属加工もし、馬を飼育し、水運業も行うという多角経営を展開し、しかも武力を持っていました。(吉見俊哉『敗者としての東京』筑摩選書)
  • 江戸氏に対抗するために源頼朝摂津国池田から連れてきたのが矢野氏。
  • 死体捨て場としての地獄谷→樹木谷→千代田区二番町
  • もともと徳川幕府は家康を東照大権現神に祀り上げることで、江戸を京都をも凌駕する権威の中心に据えました。しかも、京都の朝廷に叛逆した平将門も神として祀り上げ、東国の神話的なヒーローを徳川の権威秩序に組み込んでいったのです。(吉見俊哉『敗者としての東京』筑摩選書)
  • 漫才は、勝者となることを裏切る演技ですが、それを可能にするのは、敗者にとどまろうとする、無理をすまいとする漫才師たちの姿勢です。(吉見俊哉『敗者としての東京』筑摩選書)
  • 星や宇宙について詠んだ短歌集を置く袋井市の会社員、壬生キヨムさん(36)(あなたの静岡新聞

 

所以94

  • 映画「花とアリス」は児ができてから、特に女児ができてから観ると違う味わいを得る。特に鎌倉での平泉成のシーン。
  • 探求の共同体は、聞く共同体でなければなりません。(河野哲也『じぶんで考えじぶんで話せるこどもを育てる哲学レッスン』河出書房新社
  • 静岡県遠州地域、浜松市にも対話できる哲学の場または哲学カフェが必要だろう(なんのために?)。
  • 一方的に結論ありきで話されるような哲学「勉強会」では哲学の場としての稔りがない。
  • 既存のものを利用するなら誰かがファシリテーター役になるか、他人の話を理解できる人、すくなくとも他人の話へ耳を傾けられる人が何らかの役を果たすことが哲学の場となるためには必要だろう。
  • それとZINEを組み合わせた場を構築?
  • 雨粒はライプニッツのいう単子=モナドとどこか似てはいないか。(吉田隼人『死にたいのに死ねないので本を読む』草思社
  • 例えば水は水である限りにおいて分割されまたその部分は相互に分離されると我々は考える。しかしそれが物体的実体たる限りにおいてはそうではない。その限りにおいては水は分離されも分割されもしない。さらに水は水として生じかつ滅する。しかし実体としては生ずることも滅することもない。(スピノザ、畠中尚志訳『エチカ』岩波文庫
  • 5月8日(月)浜松市、最後の新型コロナウイルス感染者数発表は75人。先週浜松まつり開催中の50人を切っていた状態からかなり増えた。
  • 「ガヂェ(単数形は「ガヂョ」)」とは、ロマ以外のすべての民族のことを指す。(角悠介『ロマニ・コード』夜間飛行)
  • ダークレッドのマークX、「7777」、リアのエンブレムが悪魔、をよく見る。
  • しかしもし一人の人間の本質が破壊されて虚偽のものになるということがありうるとしたら、他の人間の本質もまた破壊されるであろう。(スピノザ、畠中尚志訳『エチカ』岩波文庫
  • ほんものの若者ではなくつくられた若者像に順応できる若者がもてはやされる、いつでも。
  • 個人の政治への態度は、①現状の把握(保守派を支持)→②現状への疑問(共産党ほか革新派を支持)→③現状の代替案(アナーキズムファシズムを支持)→④現状への妥協(保守派を支持)と変遷する説を唱える。
  • 私の現在はエスペラントあってこそである。(角悠介『ロマニ・コード』夜間飛行)
  • 社会問題は、そこに困難があるからという理由より、そのジャンルの問題を専門に扱う人がいるからという理由で社会問題になっている。
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所以93

  • 直観(≠直感)と記憶の第二の様相。
  • 何事も名乗った者勝ち、イベントを起こした者勝ち
  • 浜松市から伊良湖まで、つまり中田島〜新居町〜白須賀〜伊良湖岬は、原付2種110ccで所要時間だいたい1時間45分。途中休憩は赤羽根にて10分で充分。
  • 伊勢湾フェリーの臨時便は6時50分発だから5時前には浜松を出ていたい。
  • 毎時30kmが原付二種の移動計算の目安になる。
  • 浜松〜大阪は国道1号を走り続けてきたけど、国道42号+国道23号+国道163号も面白い。
  • 洛西の春でおしまい。
  • 名古屋の国道23号線の「原付通行禁止」の原付は50cc以下なので原付2種は通行可。ソースは名四国道事務所
  • 俳句結社でも俳句協会でもなく俳幇を作るべき。
  • 車椅子にノートや封筒や手紙やホワイトボードを搭載した人をよく見る。
  • 5月4日(木)午前浜松駅南口の水場でミシシッピカミミガメ(ミドリガメ)を見る。
  • 精神科医に罹った患者がその人の弟子として精神医学を学んでいると自称した例は2例だけ見た。
  • スターバックスコーヒー浜松メイワンエキマチウエスト店のやや青髪パートナーがザックリしてていい感じ。
  • この駅近1階スタバ、時間によって金髪・赤髪・青髪だけのことがある。
  • 眼鏡男性パートナーがやたら丁寧。
  • もう忘れかけているかもしれないけれど、岸田文雄は暗殺されかけた総理大臣のうちのひとり。
  • Audio recording of plant sounds with frequency lowered so that it is audible to human ears. (AUDIO)/植物の悲鳴、クリック音
  • 浜松まつり最終日、松潤家康が参加した騎馬武者行列に68万人とのこと。岐阜のキムタク信長級に。
  • メタ倫理学の歴史は、哲学の歴史がそうであったのと同様に、三つの考え方が入れ替わり立ち替わりする歴史であった。それは、客観主義的な考え方、主観主義的な考え方、その両方を取り入れた第三の考え方の三つである。(佐藤岳詩『メタ倫理学入門』勁草書房
  • もう「ファシスト」は何かを形容しておらず、単なる悪態・罵倒語でしかない。
  • 5月6日(土)プスプスでデスじまさん、映画☆お兄さん、特科班さん一家とファンジンワークショップ「映画」。
  • 映画はなかなか他人と話す機会がない。だから俳優の名前の読み方も分からないし、タイトルも俳優もよく忘れる。

 

所以92

  • ZINEを職場の複合機で出力・コピー・製本するのはペルーク
  • 勤務先のコピー機など社用の備品で活動用の同人誌や私用の冊子を出力・印刷することは抵抗戦術ペルークperruqueと呼べる。
  • ミシェル・ド・セルトー、周縁化された民衆の日常生活における抵抗戦術としてのペルーク。
  • そうした彼の議論から生まれたのが「ペルーク」という概念である。これは、労働の時間にこっそり自分の趣味や生活のための活動をすることや仕事場の物品を自分のために流用することなどを意味する。本来は自分の時間を資本に譲り渡しているはずの時空において、工夫して自分の快楽を追及することが「ペルーク」である。(~カルチュラル・スタディーズの思想的背景と実践~
  • ゆらゆらに心恐れて幾たびか憲法九条読む病む妻の側(わき) 宮柊二
  • かつて、検閲は、保守的で道徳主義的な右派のやることだった。今日では、左派のほうが検閲に走る。より厳密にいえば、道徳主義的でアイデンティティ至上主義的な特定の左派である。(カロリーヌ・フレスト、堀茂樹訳『「傷つきました」戦争』中央公論新社
  • こうした論争で対立しているのは反レイシズムの二つのビジョンである。二つのビジョンかわぶつかり合い、闘っている。一方には、普遍的なものの名において待遇の平等を要求する反レイシズムがある。他方にあるのは、アイデンティティの名において特別待遇を求める反レイシズムだ。(カロリーヌ・フレスト、堀茂樹訳『「傷つきました」戦争』中央公論新社
  • ここで私が問題にしているのは、ハラスメント、レイプといった本物のタブーをついに打ち破った#MeTooのような運動ではない。そうではなくて、自分の地位を要求するために、演劇や、映画や大学に偽物の敵を作り出す連中のことを問題にしている。この連中の場合、世の中で発言するのは、今ではいつもきまって他者たちを黙らせるためだ。しかも、彼らはそれを、被抑圧者という自分たちの身分を是正するために与えられる特別待遇の名においておこなう。(カロリーヌ・フレスト、堀茂樹訳『「傷つきました」戦争』中央公論新社
  • こういった論争はときには、役をもらえなかった女優たちが声を上げることで発生する。(カロリーヌ・フレスト、堀茂樹訳『「傷つきました」戦争』中央公論新社
  • 現代の社会は、犠牲者の地位を表彰台の一番上に定めている。(カロリーヌ・フレスト、堀茂樹訳『「傷つきました」戦争』中央公論新社
  • 犠牲者至上主義的文化と被害者帝国主義
  • 傷つけたとか傷つけられたとかいったことばかりの世界で、私たちは息が詰まっている。そろそろ深呼吸し、自由を損なわずに平等を擁護することを学び直そう。(カロリーヌ・フレスト、堀茂樹訳『「傷つきました」戦争』中央公論新社
  • 4月26日(水)中遠地方は朝から強い雨。11時ごろに南から生暖かい風がぶわっと吹き始める。午後に雨は止む。晴れるほどではないけれど曇り。
  • エスコート南浅田の東には警察官がいて交通違反の取締をしている。一時不停止で青切符を切られないように注意。
  • ザザシティ西館2Fのトイザらス跡地・ワクチン接種会場跡地はパチンコ屋の楽園が入り朝から大行列。
  • パチンコ屋の是非はあるけど、楽園とともに肉玉そばくり八とジャイアントカレーができて嬉しい。
  • ザザシティ西館1Fに新しく入ったコミコンカフェミュージアムはカレーとカップ麺とソフトクリームが食べ放題のマンガ喫茶ミスター・ビーンの黄色い車が奥にある。
  • これがまっすぐな危惧と批判の色彩を希釈して、歌を社会正義といった大仰なものから遠ざけている。(三枝昴之『昭和短歌の精神史』角川ソフィア文庫
  • 女性はY染色体を持たないため、父系祖先の古代人について調べることはできません。(祖先遺伝子検査キット Haplo3.0
  • つまり、文語と口語を分けて考えることはあまり意味がない。文語口語という、この用語自体が批評語として賞味期限切れなのだ。(川本千栄『キマイラ文語』現代短歌社)
  • ああ椿 造花のやうにうつくしい 3LDKのDにつどひて 小池光
  • 4月29日(土)、プスプスでるーりーさん、横村さん他とボードゲーム
  • 目的がアートの、哲学は貧しい。

所以91

  • 誰かを便乗歌人と批判することが、進歩派歌人としての自分の証となった。(三枝昴之『昭和短歌の精神史』角川ソフィア文庫
  • 戦争を支える歌を作り、戦時に国を支えるのは当然と考えていた三人が、戦後は進歩派と戦争責任者に分かれる。表現の実質と無関係に推移するその力学に、恐ろしいほどの時代の勢いを感じる。(三枝昴之『昭和短歌の精神史』角川ソフィア文庫
  • 同じ記号から成るまとまりであっても、それがテクスト生産者としての〈主体〉と関わる場合とテクスト解釈者としての〈主体〉と関わる場合とでは、生み出される「テクスト」が異なるということも起こりうるわけである。(池上嘉彦記号論への招待』岩波新書
  • 4月15日(土)、成子町のプスプス by ZINGで「かきだし新聞」第11号を印刷している現場に出くわした。欠番のある新聞。
  • 関根悠一郎
  • 浅野暢晴
  • 読書空間ひつじ日和
  • 頭の悪い人は社会通念や常識など反論の余地のある相対主義的な考えを基礎において絶対主義的な態度をとる。頭の良い人は反論の余地のない絶対主義的な考えを基礎に相対主義的な態度をとる。
  • 出演者と観客のやりとりを見ているうちに、僕はあることに気づいてきた。どうやら会場にいる全員が友人同士のようなのだ。出演者も客も皆、慣れ合いの時間を過ごしている。そして、その時間がさらにまったりし始めると、全員が店に置いてある本やCDも見ずに帰り始めた。僕はむなしさでいっぱいだった。(山下賢二『ガケ書房の頃』夏葉社)
  • 内輪ノリのなかへ如何に異物として混入するか。
  • 東芳川の護岸工事、目刺橋付近は土手が残るといいな。
  • いつの間に夜の省線にはられたる軍のガリ版を青年が剥ぐ 近藤芳美
  • 身近なところや離れたところにいるまだ見ぬ同志に紙面上で巡りあえる事がZINEの良さの一つです。(ZING「01広がりつなげるZINE」『浜松市鴨江アートセンター広報紙vol.8』2023年3月31日発行)
  • 遠州ZINEのシーンを作っていかないとならない。アートZINEと文芸ZINEと詩歌ZINEと社会派ZINEと地理ZINEと考現学ZINEと評論ZINE……これらの並立と刺激の場を。
  • 前島密磐田市の縁、駿河藩の中泉奉行だったのか。
  • 子規が担った一つは、歌語の多重性を排して「松」から「待つ」を追放すること、「松」を変哲のない日常語に戻すことだった。(三枝昴之『昭和短歌の精神史』角川ソフィア文庫
  • 夕映えに見つめられつつ手首という首をつめたき水に浸せり 内山晶太

 

龍禅寺の句碑

 浜松市中区龍禅寺町に町名の由来となった龍禅寺がある。前太政大臣近衛前久本能寺の変後に浜松の徳川家康を頼って来浜しこの龍禅寺に滞在したことで有名だ。
 その龍禅寺に北門から入って右奥、すなわち境内の南西隅に句碑が2つ立っている。
堀川鼠来句碑
 〈窓打つや秋を定むる夜の雨/堀川鼠来〉の堀川鼠来(1818 - 1887)は浜松城の井上家に仕え本名は堀川幸七。中区早馬町の生まれで栩木夷白・伊藤嵐牛・橘田春湖らに俳諧を学び龍禅寺の辺りに貧乏しながら住んでいた。他に〈雨雲に影のはさまるほたるかな/鼠来〉などの句がある。この句碑は明治19年に作られた。
松永蝸堂句碑
 〈浮世には遠し花にも閑古鳥/松永蝸堂〉の松永蝸堂(1838-1919)は駿河国の生まれで本名は平七。橘田春湖に俳諧を学び、小築庵を嗣ぐ。この嗣号のために松島十湖と確執が生じたらしい。東京の慶応義塾でも連句の捌きをしていた、近代に活躍した俳諧人だった。
 

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海老塚公園の句碑

 浜松駅駅南にある双葉小学校の南、新川の西岸に海老塚公園がある。その公園の北側の植え込みのなかに碑が立つ。その「和 浜松市長 栗原勝」の左横に何やら「月の笙」のような句が書いてあるのを今日見つけた。月だから俳句だろう。作者名はおそらく洞光であり、堀留ポッポ道に立つ芭蕉翁奥之細道行脚より三百年記念碑を参照すると、海老塚1-11-20(セブンイレブン 浜松海老塚店の西)に住んでいた雪心荘洞光、白川洞光だろう。けれど、残りの文字は読めない。
海老塚公園の句碑
781/1000 海老塚公園(浜松市中区)