以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

吉岡太朗『世界樹の素描』書肆侃侃房

西の方言というよりファンタジー世界の長生きする小人の話し方で吉岡太朗『世界樹の素描』書肆侃侃房を読む。〈葉が紅こうなる話などして君は会いたさをまたほのめかしてる/吉岡太朗〉紅葉は恋愛感情の比喩として楽しい。〈カーテンがふくれて夜の王国の国境線が引き直される/吉岡太朗〉風にふくらむカーテンの裏側にある政治的な駆け引き。〈100よりよなぜか大きい数のようきみのテストの98は/吉岡太朗〉0や1よりも8や9の方が大きい数なんだよね。〈自転車が自転車を抜く遠景の橋 そこに感情はあったんやろか/吉岡太朗〉それとも無感動に抜いたのか、あらゆる事象に意味と感情を見出そうとする過敏な時期。〈たいせつなレシートばかりポケットにうしないやすき夕冷えの風/吉岡太朗〉たいせつなものばかり無くしてきた私だった。

洞窟をたまの散歩にだしてやる洞窟用のリードをつけて 吉岡太朗