以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

中日歌壇朝日歌壇2021年7月18日

中日歌壇

島田修三選第二席〈片足を上げては水を払ひつつ浅瀬をゆっくり歩く青鷺/山本栄子〉水田などで獲物を狙う青鷺の足取り。小島ゆかり選第三席〈自宅にてコロナワクチン接種受く奥三河ここ無医地区なれば/大野富士夫〉愛知・東栄とのこと。無事を祈る。〈贈られし京都の氷菓日に透けて抹茶の深きみどりこそ夏/高橋尚子〉京都の氷菓というのが涼しげだ。

朝日歌壇

永田和宏選〈躓きはやはり「モル」らし子も孫もげに厄介なアボガドロ数/宇和上正〉未だにモルが何のことかわからない。〈遅刻して尚且つ辿り着けぬ夢見て夏至の本棚にカフカ/森谷弘志〉『城』ですね。馬場あき子選〈プラ芥に慄へたりとぞ憧れて海女となりしひと潜き始めて/巻桔梗〉芥はごみとルビ、ぶるぶるっとする感覚がある。佐佐木幸綱選〈二人とも介護の職に就く夫婦二台の車揃ふことなし/朝岡剛〉昼夜を問わない共働きの時代。高野公彦選〈父の日に食べごろとなるメロン二個送りし娘ら当日に来る/小島敦〉持ってくればいいのに。