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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

武田伸一『出羽諸人』角川書店

武田伸一『出羽諸人』角川書店を読む。労組機関紙俳句欄にて氏から〈春の雪明るい焦げのオムライス/以太〉で最優秀をいただいたことがある。〈芋幹と蜂のなきがら出羽の国/武田伸一〉は朽ち干乾びたものの美しさ、〈蛇は衣脱ぎ自転車の大男/武田伸一〉は大男に蛇が重なる、〈山の僧バイクのミラーに数珠をかけ/武田伸一〉と〈鶴帰る防犯カメラの斜め上/武田伸一〉の取り合わせの妙、〈植毛の看板錆びたり尼崎*1の夏/武田伸一〉の「植毛の看板」に見る尼崎らしい卑俗さ。

*1:あま