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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

三村純也『一』角川文化振興財団

俳句に向くのは、もう何を書くのも億劫になったとき。書いても書き足りないときではなく書くのに倦むとき、と思った日に三村純也『一』角川文化振興財団を読む。〈包丁を研ぎ改めて桜鯛/三村純也〉「研ぎ改めて」の厳かさ、〈露草や藪のどこかに水鳴りて/三村純也〉露草の露と水の鳴りとの感応。

南帝の裔匿ひし夏炉とて 三村純也