-
福沢の三男三八の回想によれば、理想の政治体制についての問いに答えて、「それは無政府だ、政府や法律のあるのは悪いことだ」といって諄々と無政府主義を説いたという。（浅羽通明『アナーキズム』ちくま新書）
- アナーキスト福沢諭吉
- アナーキズムと保守：権力は権力というだけで悪。
- マルクス主義とファシズム ：善い権力はある。
- 日本でファシスト政権が樹立されずマルクス主義が根付かず新左翼が影響力を拡大し無党派層が多く選挙棄権者が多く保守が政権を握り続けているのはアナーキスト福沢諭吉の根強い影響のせいかも。
- 災害ユートピアとしての東日本大震災。
- 上海港湾労働大学に留学して山鹿泰治からエスペラントを学びたかった。
-
神によらず，国家によらず，われ等のことはわれ等自身で決すべし Nek dio, nek ŝtato, niajn aferojn aranĝu ni mem! （山鹿泰治展 —エスペラント・アナキズム・DIY）
- アナーキズム・エスペラント・世界市民主義（ディオゲネス）
-
たとえばポスト構造主義など、近代的主体の抑圧性というわが国にはもとより存在しない問題をめぐって、解法をめぐる議論だけがひたすら持ち込まれた観がある。（浅羽通明『アナーキズム』ちくま新書）
-
笠井潔は、自然権や個人の尊厳をフィクションと考える。これ自体は、現代思想家としてそう珍しい見解ではないだろう。だが笠井は、代案とすべきよりよいフィクションとして、「市場社会というルールの下、才能、努力、そして運が勝敗を決めるマネーゲームを競うプレイヤー」なる人間類型を提唱するのである。（浅羽通明『アナーキズム』ちくま新書）
- 自業自得の潔さ
- 自由な個人、サルトルの「脱自」
-
横並びを規範とし、我を張らず和を尊び、角が立つ対話や議論を避け、場の空気を読みあい、なりゆきで事を決めてゆくこの国では、共同体アナーキズムはすでにほとんど実現している体制思想に等しいのである。（浅羽通明『アナーキズム』ちくま新書）
- 「世間」共同体アナーキズムの日本で個人主義的アナーキストであるフェミニストが生きにくいのは当然だろう。
- 共同体アナーキズムから弾かれた個人主義的アナーキズムの二大勢力であるオタクとフェミニストが反目させられてしまうのも道理。
-
遠江国引佐郡伊福郷 ここは現在の静岡県引佐郡細江町気賀である。細江町気賀の教育委員会ノ近くに、今も伊福という地名がのこっている。またこの近くにマンガン鉱の採れる山*1がある。（谷川健一『青銅の神の足跡』小学館）
- 天竜区の佐久間には久根鉱山（銅・黄鉄鉱）があり龍山町には峰之沢鉱山（銅）があった。
- 遠州のからっ風を使う古代の製銅と製鉄。
-
前に述べた遠江国伊福郷、すなわち現在の静岡県引佐郷細江町の南に佐鳴湖がある。これは地元では訛ってサナル湖と呼んでいるが、細長い湖である。この湖辺に蜆塚と呼ばれる貝塚があるが、大昔の生活に好適の場所であったろう。その東側の浜松市近郊から銅鐸がいくつも出土している。（谷川健一『青銅の神の足跡』小学館）
- ↑伊福郷の話で佐鳴湖や蜆塚の話を出すのは地理的に無理がある。
- 管理職は何かを創る人ではなくて、選択し決定しその決定の責任をとる人だから賢い人は管理職になりたがらない。
-
「それじゃ女性は何のために存在するの」フジノはこともなげに言った。「女性は社会に必要な存在だよ。男しかいない世界なんて考えられる？ 一生男しかいない世界にいたら、何を目標にして頑張ればいい？（川野芽生「卒業の終わり」『無垢なる花たちのユートピア』東京創元社）
- 共同体アナーキズム国家・日本におけるフェミニストは女性であるという理由ではなく個人主義的アナーキストであるという理由で生きづらくなる。
- そのため日本のフェミニズムは「女性」を降格させるための虚構に陥らざるをえず、虚構によって規定されるフェミニズム運動はほんものの性被害には対処しきれなかったり矛先を誤ったり内輪揉めで停滞したりする。
- でも虚構であることが前提のファンタジー小説や文章芸術であればフェミニストもフェミニズムも活き活きするという実例を読んだ。
*1:引用者註、黒姫鉱山（寸座鉱山）や気賀鉱山や大知波鉱山のことだろう。
