以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

鉄塔の夢

底面が六畳ほどある直方体の鉄塔を昇っている。鉄塔の外側には隙間から下が覗ける鉄階段が据え付けられている。その鉄階段を集団で螺旋に昇っている。ディズニーランドの待ち行列のようになかなか上に進まない。前後の人と談笑する。鉄塔の頂きまで昇りつめる。そこには何もない。係員が、翼長の短い、白い、簡素なハングライダーを手渡す。これで地へ下りるらしい。そんなに高く昇った記憶がないのに、地から数百メートルの高さがある。林が小さく見える。後ろの行列がつかえている。覚悟を決める。ハングライダーの後部に両腕を吊るし、鉄塔を蹴る。

春近し飛ぶというより落ちている 以太