以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

垂直/浅川芳直

関西現代俳句協会青年部招待作品「垂直」を読む。〈はめごろし窓へかたまる春の蠅/浅川芳直〉はめ殺しという建具の名には猥雑さと残酷さが秘められている。「春の蝿」とは言え蝿の密集はその名が秘めたものを滾らせる。いや、「春の」だからこそはめ殺しという形に囚われた若さという視点が加わる。〈白ばらへ雨の垂直濁りけり/浅川芳直〉垂直という雨の「正しさ」が濁るほどの白薔薇の無垢さ、白さと読める。