以太以外

空の色尽きて一月一日に/以太

対中いずみ『蘆花』ふらんす堂

〈門弟の一人に大き螢かな/対中いずみ〉誰でも弟子をとる覚悟とも。〈ぶらんこの鎖ごと抱きしめられて/対中いずみ〉痛いくらいに。〈汗の子の水槽に手をはりつけて/対中いずみ〉ピタッという音が聴こえそう。〈虹もまたこの波音が聴きたくて/対中いずみ〉と〈と申しましても白鷺がゐまして/対中いずみ〉は言い差しの妙がある。〈蛇穴を出でて泪の溜まりたる/対中いずみ〉生物の生理を情念として読み取る。

古すぎてさはれぬピアノ蘆の花 対中いずみ