以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

霏霏Ⅱ第2号

霏霏Ⅱはひひnextと読む、熊本県で創刊した季刊の俳誌。〈デジタルが雪を神話に変える村/中山宙虫〉動画に撮るときデジタルという仕組みは擬神の役割を果たす。〈柊ほろほろ けものの体温で/星永文夫〉柊の小さな白と獣の吐く息の白さの対比が美しい。〈疫病や進化してゆくメロンパン/山田節子〉疫病のウィルスも進化する、人間の商売と同じように。〈中空に狐火 昼はビルに化け/志賀孝子〉大胆な措辞である。〈トランプをめくれば 春への戸がひらく/梅木トキエ〉トランプ占いのようなものを思う。〈啓蟄やマグマ地表に近づいて/森本哲雄〉地虫がマグマまで連れてきた。〈かりんとうは無口 本日春が立つ/鴻江亜紀〉かりんとうは冬の化石のようだ。〈啓蟄に小指がもう一本生え/楠井清文〉小指の外側に地虫のように細く白い指が生える。想像力が強い。