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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

檜葉記(三)

現代俳句協会関西青年部による「翌檜篇」(21)『現代俳句』令和二年九月号を読む。〈両面刷りの春あふれだすアイドル誌/縞田径〉多色刷りでもなく両面刷りの字余りと「春あふれだす」に表も裏もない喜びが籠められている。〈恐竜になり木二本食う初夢/縞田径〉ウルトラザウルスだろう。〈チューリップたしか二重瞼の人だった/横井来季〉二重瞼にふたえとルビ、春の不確かな出会いをなんとなく覚えているくらいの、もう二度と会わない人との明るい思い出があった。〈花柄の便所カバーや去年今年/横井来季〉便座カバーは冬に使う。寒く暗い個室に華やぐ便座カバーのような越年である。