プラスチックゴミの日、瀬戸正洋『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』邑書林を読む。〈蒲公英や爆発しない手榴弾/瀬戸正洋〉凄いことを言っていそうで単に散種なのかもしれない、〈蒲公英や原子力発電所は壊れる/瀬戸正洋〉とともに。〈月光は血液縄跳をする男/瀬戸正洋〉「月光は血液」? 青白い縄跳男の不気味な素性。〈アイドリングストップ蚯蚓鳴きにけり/瀬戸正洋〉実際に音はなかったのだ。〈日短モータープールから人間/瀬戸正洋〉人間用出入り口が分からなかった人間だ。〈コンデンスミルク北窓開きけり/瀬戸正洋〉意外さ、しかないけれど、コンデンスミルクの甘さは春の予感めく。
鬼百合の「鬼」とは人のことである 瀬戸正洋