10月30日(日)快晴、松菱百貨店跡地で開催されたオンラインクロスロード2022内の浜松古本市に以外社として31冊の蔵書を持参して参加した。
蔵書を古本として売ること
自宅の本棚にある本を売るということは自分の趣味を(器官を)白日のもとへさらけ出すことでもある。並べるのは、売る決意を固めたとは言えど一度は買う決意を経た本だからだ。趣味をさらけ出すと同じ趣味を(器官を)持つ人が自然と寄ってくる。私と同じか下くらいの若い男女が遠州近辺で俳句や詩を読んでいると知ったことが今回の参加の最大の収穫だった。こういった出会い、人と人との交差が古本市の愉しみである。
午前中の賑わい、珍客も
9時過ぎにスーパーカブ110ccで搬入し、松菱跡地の北西入口近く、読書日和さんのマイベッド兼本屋の東に、南向きに陣取った。クロスする「ロード」には面していない。東隣は第一回浜松古本市以来の出展という高橋書房さん、そのまた東隣は湖西市のブックス・チカラータさん。まだコロナ禍なのでジェットミンミン製の紅白マスクで顔の下半分を覆い、迷彩シートと蜜柑ケースの上に本を並べ値札を書いてそれぞれの本に挟んで準備していると10時になった。古本市開始からお客さんが立ち寄ってくれ、そして本が売れた。古本市は時間が経てば買えそうな本がなくなってしまう早いもの勝ちのイベントだからだろう。営業開始前の八月の鯨さんが来てくれバイクの話をした。あるときは某宗教の方が来てシネマイーラで朝やっている映画の鑑賞券をくれた。教祖というか総裁の長男氏の話をしたら少し盛り上がった。枕草子や海外文学好きの方や岡井省二の『鯛と鯛』に興味を持ってくれた青年、仏教に興味のある女性が立ち寄ってくれた。冷やかし客となんてことない会話をするのも楽しい。どんな人にも春秋左氏伝校本かトルコ語を勧められる。
出店者としての心がけ
午前中に10冊売れて、12時過ぎにはすき家の葱玉牛丼をテイクアウトで食べた。会場は白い細かい砂が舞うのでときどき本の表紙の砂を払う必要がある。そして今日は遊びネクタイを締めてきた。また、挨拶や会話をするときは正面で向き合わないようなるべく体を斜めにして話しかけた。出店者として心がけたことはこの3つだけ、あとは自由にやった。ときどき玄関ライブを聴きに店をぬけた。
午後はまったり
午後は午前より客は減った。でもハロウィンで仮装した人は増えた。漢文を楽しむという女性や俳句や詩を読むという女性が来てくれた。浜松しんぶん部の方が私の投稿した手書きしんぶんの内容確認に来てくれ、国際補助語エスペラントについて話した。
今日はオンラインクロスロードでしんぶん部です。しんぶん部ポストに入ってたしんぶん紹介。グーグルレンズで翻訳したらエスペラント語で書いてあるそうです。古本市に出店中!#しんぶん部 pic.twitter.com/37NJysHO1o
— 浜松しんぶん部 (@HMMTshinbunbu) 2022年10月30日
なんとあの本が売れた!
午後には7冊売れた。そして15時過ぎには江戸時代の春秋左氏伝校本という和綴本をセットで1000円で買ってくださった猛者もいた。「枕になる」とおっしゃっていたが、数日で読んでしまうかもしれない。15時半には片付けてライブハウスの裏をスーパーカブでまわり撤収した。
消費税なく本を売る秋日和 以太