以太以外

辷り台に脚を忘れた虫の闇 以太

類歌による入選取消し

中日新聞2022年1月16日朝刊22面の俳壇歌壇欄に「2021年2月14日付の島田修三選の1席は類歌と判断したため、入選を取り消します」と「お断り」が載せられた。


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新聞歌壇・新聞俳壇にときどき掲載される「おことわり」、今回の入選取消理由は二重投稿ではなく類歌とのこと。どのような類歌だったのか辿ってみた。

取り消された該当の歌は〈バイクよりひらりと降りたる青年がヘルメット脱ぎ美少女となる〉というもの。Googleで該当歌を検索すると

バイクよりひらり降りたる青年がヘルメット脱ぎ美少女となる

安部 綾 「雪明りの坂」(2002年)所収(変身、ちょっといい感じ

『バイクよりひらり降りたる青年がヘルメットを脱ぎ美少女となる 』

こういうの、僕のど真ん中なんです。意外性とか、別の顔とか、誰も知らない素顔とか…♪

(詩 / 阿部綾『雪明りの坂』より)(三左衛門

という歌が見つかった。作者は阿部綾さんのようで『雪明りの坂』は沃野叢書として角川書店から2002年に刊行されている。そして該当歌は阿部綾さんのこの歌のテニヲハをいじっただけの歌であるようだ。もちろんうっかり似てしまった可能性もあるが、同じくらい盗作の可能性もある。

吉竹純『日曜俳句入門』岩波新書にこうある。

しかし、なにより頼りになるのは、読者の目です。かつて地方紙からの盗用であれば、見つからないと思ったケースがあったようです。しかし天網恢々疎にして漏らさず、アウトになったという話です。

投稿歌人と投稿俳人はいま一度気を引き締めなければならない。