以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

中日歌壇朝日歌壇2021年6月27日

中日歌壇

島田修三選第一席〈グーグルでわが町少し散歩すれば突如日傘の妻が現る/三上正〉日傘はGPS除けだったりして。第三席〈白鳥の哀しみほどではないとして布団の角で転ぶも悲し/林建生〉ずっと寝ていたいのに。〈横恋慕しないがよいと知己が言う一首の傍に一句を読めば/梶村京子〉文芸ジャンルなんて横飛びすればいいのです。小島ゆかり選〈老いたれば従容として迷ひなくみな受け入れて腕差し出だす/伊藤達夫〉受け容れるのは新型コロナウイルスのワクチン接種でもあるし、死でもある。〈既読5でとまる数字は友一人欠けたることを容赦なく告ぐ/広瀬尚代〉ラインのグループだろう。変わらないことが告げるということ。

朝日歌壇

馬場あき子選〈活字では読み飛ばしていた一文が光を帯びる朗読者の間で/吉谷往久〉朗読の節回しでその一文が朗読者にとって大切だと気づかされる。スポットライトを浴びて。佐佐木幸綱選第三首〈早苗田にバス停湖の島のよう試合帰りの少女が降りる/塩田直也〉湖にうみとルビ、なぜこんなところにバス停を設けたのだろう。エリック・カールの二首高野公彦選〈サプライズ好きのむすこになったのは「はらぺこあおむし」の蝶の翅みて/松本知子〉永田和宏選〈子の本もその子の本も補修テープ貼り重ねたり「はらぺこあおむし」/水野一也〉わが家ではももんちゃんにおされそこそこの人気のはらぺこあおむし