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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

松本てふこ『汗の果実』邑書林

掛川市の大池公園で抹茶を飲み、法多山尊永寺で初詣を済ませ、松本てふこ『汗の果実邑書林を読む。〈錠剤をたくさん持つて遠足に/松本てふこ〉老人会とも色彩ゆるきファッションメンヘラとも読める。〈だんじりのてつぺんにゐて勃つてゐる/松本てふこ〉屹立の上の屹立神に似る。〈秋灯のこれらすべてが世田谷区/松本てふこ〉中島斌雄と有馬朗人三軒茶屋に建つキャロットタワーか。関東連合と田舎成金と農民の街の灯り、〈短夜に辣油一滴落としけり/松本てふこ〉夏夜の凝縮性、〈風死して模型のソフトクリームよ/松本てふこ〉溝に埃など溜まっているだろう。〈鶏肉の黙って沈む雑煮かな/松本てふこ〉「黙つて」の興。〈臘梅を見上げて使ふ敬語かな/松本てふこ〉ロウの音から連想が広がる。

遠州やざぶんざぶんと青田風 松本てふこ


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