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以太以外

病名は人間性や夕野分 以太

所以18

  • 木山は友人二人と「亜南樹」という同人雑誌を出す計画をしていた。アナーキーと読むのである。政治上の無政府主義ではなく、文学上のアナーキズムを標榜して、三人それぞれが新機軸の創作を発表する雑誌であった。(三島由紀夫「親切な機械」『岬にての物語』新潮文庫
  • 水島はアナーキストの雑誌に、右翼の残党の短歌雑誌の広告をとってきた。(三島由紀夫「親切な機械」『岬にての物語』新潮文庫
  • 口をついて出る言葉が、野放図に相手を傷つけていて、しかもこちらの感情は気の毒なほど波立たない。鉄子は橇で辷り下りるような危険を伴った気楽さを味わう。(三島由紀夫「親切な機械」『岬にての物語』新潮文庫
  • 鉄子の次の言葉は木山を啞然とさせた。「根拠はちゃんとあることよ。私がそうされたいと思っているからだわ」(三島由紀夫「親切な機械」『岬にての物語』新潮文庫
  • それにしても巡査松田某の動物愛護の美行は賞讃さるべきである。(三島由紀夫「親切な機械」『岬にての物語』新潮文庫
  • 〈雨に傘ひらく何かの標的となるかもしれぬことも知らずに/正岡豊〉『四月の魚』書肆侃侃房、標的になりたくない人は減り、標的になりたい人が増えているかもしれない。