以太以外

蒼褪めた巨漢は笑う水澄んで 以太

馬場めぐみ「たわむれ」『文藝誌オートカクテル』白昼社

浜松市の夜の街から三十人の感染者が出た日、『文藝誌オートカクテル2020』収録の連作「たわむれ」を読む。与えられた生とは理不尽の別の名なのかを考えながら。〈ひとの頬ほどに眩しく明日には腐っていたかもしれない桃だ/馬場めぐみ〉「明日には腐っていたかもしれない」に意表をつかれる、つまり、もう食べたのだろう。〈ここにしかわたしはいない2days公演はない、照明は消える/馬場めぐみ〉一度きりの人生とは少し安っぽい劇団公演のようだ。

 

一万回を超える練習もし眠ることが死の予行演習ならば 馬場めぐみ