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以太以外

青時雨ことばは水でできている 以太

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

浜松古本市 in オンラインクロスロード2022に参加予定

松菱跡地で開催されるオンラインクロスロード2022内の浜松古本市に参加して俳句・小説・漢文関係の本を販売予定の「以外社」について。その販売書籍一覧も。

谷川電話『深呼吸広場』書肆侃侃房

みんな谷川電話の恋人になりたがる。〈幻に負けない暮らし 心から白湯を冷めても白湯と呼びたい/谷川電話〉幻に名をつけ愛でるフェティシズムは、しかし人を、人の暮らしを支えてきた。〈水槽を光と影を飼育するために窓辺に置いてそれから/谷川電話〉何も…

所以48

新しい絵の褒め方「すごい、AIが描いたみたいですね」 ナアマンの自由を、そしてナアマンの自由だけを認めるということは、裏返しに言えば、「考えたいことを考える自由」つまり心の中で好き勝手なことを思いめぐらす自由以外の自由を、何一つ認めないという…

所以47

虚構新聞あたりが「安倍元首相は安倍元首相の国葬を欠席する予定」とか報じて混ぜっ返すことでおもしろくなる。 われわれに思考があるのに自然にはないと言う方が実は変なのである。(上野修『スピノザの世界』講談社現代新書) 私たちは教師であれば、今の…

天沢退二郎『アマタイ句帳』思潮社

〈台風近し猫ら変身して空を飛ぶ/天沢退二郎〉強風に乗って逃げる。〈冬の本行間に註こだまして/天沢退二郎〉行間を読むどころの騒ぎではない。〈蓮池に誤植幻想振り捨てて/天沢退二郎〉蓮池は蒸し暑い。汗を拭うように誤植への執着を振り捨てる。〈美少…

大森静佳『ヘクタール』文藝春秋

野を焼く火として『ヘクタール』を読む。〈からだのなかを暗いと思ったことがない 風に痙攣する白木蓮/大森静佳〉からだのなかは赤く光っているのかも、あるいは白木蓮のように白く輝く肉なのかも。生きている限り暗いなんてことはない。手術映像のイメージ…

所以46

アメリカンスピリットが茶師前田文男の抹茶入煎茶ティーバッグを送ってきた。それとターコイズ。茶と煙で一服と。 腸活と朝読書をはじめたので、出勤するのが楽しい。これは仕事が楽しいと等号では結ばれない。 スピノザが一段落したらその延長でラテン語復…

所以45

ウリエル・ダ・コスタ、工藤喜作訳『人間生活の実例』Uriel da Costa, Exemplar humanae vitae スピノザの弟妹がネーデルラントから大西洋を渡ったことを思う。〈船の窓ゆたかに冷えて国というつやめく単位ひとつおもいぬ/大森静佳〉 spinozismo; se mi est…

小川楓子『ことり』港の人

接していないか接しているかのすれすれとして『ことり』を読む。〈段ボール引いてあそんで犬ふぐり/小川楓子〉子供の遊びだろう、犬ふぐりで段ボールが引かれた地面や濡れた段ボールの端へ視線を集める。〈夏来る箸でわけあふメンチカツ/小川楓子〉夏が孵…

所以44

日本郵便の島嶼公募は地域基幹職と総合職しか応募できない。 東京が車を運転しやすい街になれば多様性やにぎわいは減衰するだろう。 郵便外務の班長は配達の「速い」「できる」人がなるので、配達の「遅い」「できない」人は、心情面で理解されず、取り残さ…

所以43

take one's proper station、ルース・ベネディクト『菊と刀』の「応分の場を占める」の英語、「応分の場を占める」が和訳か。「各々 其ノ所ヲ得」とも。 9月16日に生命保険会社から新型コロナウィルス感染症の自宅療養についての入院給付金が下りたとメール…

毎日歌壇毎日俳壇2022年9月19日

〈虫鳴いて夜の空き地となりにけり/以太〉が西村和子選で入選していた。井上康明選〈秋の夜の解の公式言うてみる/大戸政子〉秋の夜のさびしさから逃れるための解の公式だろう。〈頂に皇子の墓標や雁渡る/古賀勇理央〉非業の死を遂げた大津皇子の墓標。雁…

朝日歌壇朝日俳壇2022年9月18日

小林貴子選〈台風の行く手行く手にアナウンサー/額田浩文〉アナウンサーと書くことで同じアナウンサーが台風の進路に次々と出現するようにも読める。〈露の世のかくも短き詩を創り/内藤孝〉すぐに消えそうな短さの俳句。長谷川櫂選〈あてもなく大秋晴の一…

山田航『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』書肆侃侃房

東へ夜の特別軍事作戦に出かけた日、『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』を読む。〈踊り場ですれ違うとき鳴る胸のビートがリズム無視してくるよ/山田航〉「リズム無視してくるよ」の野放図さが青春っぽい。〈なけなしの金で乗るバス行き先は廃タイヤ積ま…

所以42

ジェイムソン*1によれば、テクストは、他の仕方ではアクセスできないような歴史性へ私たちを導く、主要な媒介項である。その歴史性は、スピノザ的な意味での不在原因として機能している。その点においてテクストは、私たちの「政治的無意識」を理解するため…

所以41

災害が起きると、ヒエラルキー、行政、公共機関といった社会構造が崩壊しがちだが、その結果、生じがちなのは、メディアのほうじる無法な蛮行という意味の無政府状態ではなく、人々が自由に選んだ協力のもとに結束する、クロポトキンの提唱する無政府状態だ…

所以40

スペクタクルはさまざまなイメージの総体ではなく、イメージによって媒介された、諸個人の社会的関係である。(ギー・ドゥボール、木下誠訳『スペクタクルの社会』ちくま学芸文庫) スペクタクルは世界観Weltanschanng 個人的現実は、存在しないという限りに…

所以39

注目したのは句点の打ち方。「中上さんの文章は、コルトレーンやアイラーのフリージャズのようにどこまでも自由なインプロビゼーションが続いていく」。『千年の愉楽』(82年)を取り上げ、丁寧に読んでいく。(中上健次、没後30年の「熊野大学」 濃密な…

朝日歌壇朝日俳壇2022年9月11日

高野公彦選〈大谷の打ちしボールを追うカメラオークランドの月も映せり/三船武子〉パン、パンと映像が決まる。〈見張れるを見せつけてをり百均の自動精算機にカメラ付く/前川泰信〉この監視カメラ、電線はつながっていないかも。百均だし。永田和宏選〈昔…

染野太朗『あの日の海』書肆侃侃房

自分の車を自分の家へみしみしとめりこませる人を見た日、『あの日の海』を読む。〈向き不向きを言い合う教育実習生の控室にも白い電話が/染野太朗〉この会話を誰かが聴いているかも、ということだろうか。白さが際立つ。〈生徒らの脳に蛍があふれいて進学…

所以38

東区中郡町、祭の積立金が1軒あたり30万円/年とか、自治会の力が強い。 娘の父母への罰が「もういっしょにあそばないからね」「もういっしょにたべないからね」 闕語法rétricenceとは自分に不利なことには口をつぐむ方法。 商品の価値は生産に要した労働量…

所以37

エスペラントesperantoの中動態medialo、他動詞を自動詞としたり他の品詞から自動詞を作ったりする接尾辞iĝが中動態的な役割を果たすのは分かる。 受動態pasivo、能動態aktivo、中動態medialo 例えばrompi(壊す)の場合, esti rompitaは「だれかに壊された…

水野葵以『ショート・ショート・ヘアー』書肆侃侃房

始末書を書き終えた日、『ショート・ショート・ヘアー』を読む。〈堂々と慰めたあとゴミ箱の深部に埋める二重のティッシュ/水野葵以〉一重だと漏れてきてしまうから。〈七月は動く歩道のスピードで気づけば夏の真ん中にいる/水野葵以〉七月の速度に気づか…

所以36

今日のカルチュラル・スタディーズやポストコロニアリズムが標榜する「グラムシ・ルネッサンス」が政治性を欠いて弱々しいのは、六八年の毛沢東主義の「経験」を払拭してしまおうという、「現行のプロパガンダ活動」に陰に加担してしまっているからにほかな…

所以35

映画「シンデレラ」のボブ髪王女グウェン。最後はグウェン女王になってやりたい統治プランを実行できそうでよかった。ドレス作りだけが女の子のやりたいことじゃない。女の子だって政治をやりたい。 世代・性別・年齢・階級に基づくかつての応分の場が崩壊し…

所以34

娘が「(父母が)〜するのは恥ずかしい」と羞恥心に訴えかける異議申し立てをするようになった。 たとえば、個人経営の店主の常套句、「すみません」。その意味はこうである。「あなたから恩を受けましたが、現代の経済の仕組みの中では、恩返しをすることが…

所以33

2週間ぶりくらいにカフェでコーヒーを飲むと果実感にやられてガブ飲みしてしまう。エクセシオールカフェやドトールでも。 『老人と海』でコンデンスミルクの空き缶に入れられたコーヒーは斯くの如しとか思う。 浜松市立中央図書館駅前分室に『八本脚の蝶』が…

所以32

福沢の三男三八の回想によれば、理想の政治体制についての問いに答えて、「それは無政府だ、政府や法律のあるのは悪いことだ」といって諄々と無政府主義を説いたという。(浅羽通明『アナーキズム』ちくま新書) アナーキスト福沢諭吉 アナーキズムと保守:…