三月の有給休暇取得は難しいと知った日、佐藤文香『君に目があり見開かれ』港の人を読む。〈目薬の鋭利な水や夜の新樹/佐藤文香〉落ちる鋭利な水と枝先へ染みのぼり薫る水と。〈紫陽花や心は都営バスに似て/佐藤文香〉確かな順序による落ち着きを払った態…
宅急便が呼び鈴を鳴らさない夜、千原こはぎ『ちるとしふと』書肆侃侃房を読む。〈わたししか音を立てない深夜二時ことり、とペンを丁寧に置く/千原こはぎ〉深夜の無音さを「ことり」と音で表現している。〈なにひとつ創生しない営みに「あい」なんて音ひび…
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