以太以外

辷り台に脚を忘れた虫の闇 以太

2020-01-13から1日間の記事一覧

瀬戸正洋『Z湾』邑書林

咳にはムコダイン、瀬戸正洋『Z湾』邑書林を読む。〈掌の切符ぐにやぐにや夏帽子/瀬戸正洋〉夏帽子をかぶる男の心の内、焦燥をぐにやぐにやの切符が想像させる。〈出社拒否して玉葱の微塵切り/瀬戸正洋〉音に勢いがある、〈ハイソックスルーズソックス卒…

岡田幸生『無伴奏』ずっと三時

娘の前髪を切った日、岡田幸生『無伴奏』ずっと三時を読む。それぞれ〈無伴奏にして満開の桜だ/岡田幸生〉〈さっきからずっと三時だ/岡田幸生〉から。「〜だ」という断定は自由律俳句特有の表現である。〈きょうは顔も休みだ/岡田幸生〉顔は休むとどんな…

天坂寝覚『新しい靴』随句社

交差点に横倒しになった軽自動車を警察官二人が押して戻したのを見た日、天坂寝覚『新しい靴』随句社を読む。〈今日を使いきってこどもが寝ている/天坂寝覚〉「使いきって」ができる幸福、〈雨がすこし見える本屋の本すこし読む/天坂寝覚〉過剰ではないほ…

松田俊彦句集withえんの会

ツバメノート株式会社謹製装幀の句集。俳句とも川柳とも書かれず。〈愛される範囲を葱は知っている/松田俊彦〉の葱の妙、〈心深くに国籍のない舟繋ぐ/松田俊彦〉この世の舟ではないかもしれぬ。〈ひまわりの撃たれた音を知っている/松田俊彦〉北野武は根…

松本てふこ『汗の果実』邑書林

掛川市の大池公園で抹茶を飲み、法多山尊永寺で初詣を済ませ、松本てふこ『汗の果実』邑書林を読む。〈錠剤をたくさん持つて遠足に/松本てふこ〉老人会とも色彩ゆるきファッションメンヘラとも読める。〈だんじりのてつぺんにゐて勃つてゐる/松本てふこ〉…

曾根毅『花修』深夜叢書社

参謀の作戦力と組織力、山崎豊子の構成力、『不毛地帯』を読み終えた日、曾根毅『花修』深夜叢書社を読む。〈初夏の海に身体を還しけり/曾根毅〉「還し」の実感、〈爆心地アイスクリーム点点と/曾根毅〉爆心地は観光地、〈身籠れる光のなかを桜餅/曾根毅…